Docker超入門：Dockerコマンドの新旧対応表：container系とimage系

　Dockerを操作するとき、実はコマンドには「新しい書き方」と「昔の書き方」が存在します。古いコマンドもまだ使えますが、最新のDockerでは 対象を明確にする形式 に移行しており、そちらを使うことが推奨されています。これを知っておけば、古い情報を見ても混乱せず、新しい書き方にすぐ置き換えることができます。ここでは、コンテナ系とイメージ系のコマンドを中心に、新旧対応表を整理して詳しく解説していきます。

Dockerコマンドの基本構文

Dockerの新しいコマンドは以下のような形式をとります。

docker 対象 操作 [オプション] [パラメータ]

例えば、コンテナを一覧表示する場合は

docker container ls

イメージを一覧表示する場合は

docker image ls

　といった具合に、「container」「image」などの対象を明示してから操作を指定するようになりました。これにより、コマンドの意味が直感的に理解しやすくなっています。

コンテナ系コマンドの新旧対応表

まずはコンテナ操作の新旧コマンドを比較してみましょう。

新コマンド	旧コマンド	説明
docker container attach	docker attach	実行中のコンテナにアタッチする。
docker container commit	docker commit	コンテナからイメージを作成する。
docker container cp	docker cp	コンテナとローカル間でコピーする。
docker container create	docker create	新しいコンテナを作成する。
docker container exec	docker exec	コンテナ内でコマンドを実行する。
docker container inspect	docker inspect	コンテナの詳細情報を表示する。
docker container kill	docker kill	コンテナのプロセスを強制停止する。
docker container ls	docker ps	実行中のコンテナ一覧を表示する。
docker container ls -a	docker ps -a	全コンテナ一覧を表示する。
docker container logs	docker logs	コンテナのログを表示する。
docker container pause	docker pause	コンテナを一時停止する。
docker container prune	ー	停止中の全コンテナを削除する。
docker container rename	docker rename	コンテナ名を変更する。
docker container restart	docker restart	コンテナを再起動する。
docker container rm	docker rm	コンテナを削除する。
docker container run	docker run	新しいコンテナを起動する。
docker container start	docker start	停止中のコンテナを開始する。
docker container stop	docker stop	実行中のコンテナを停止する。
docker container unpause	docker unpause	一時停止中のコンテナを再開する。

　新しい書き方では container を明示しているため、コマンドを見ただけで「コンテナに関する操作」だとすぐわかります。

イメージ系コマンドの新旧対応表

次に、イメージ操作に関するコマンドを見ていきましょう。

新コマンド	旧コマンド	説明
docker image build	docker build	Dockerfileからイメージをビルドする。
docker image history	docker history	イメージの履歴を表示する。
docker image import	docker import	ファイルからイメージを作成する。
docker image inspect	docker inspect	イメージの詳細情報を表示する。
docker image load	docker load	イメージを読み込む。
docker image ls	docker images	ローカルのイメージ一覧を表示する。
docker image prune	ー	未使用のイメージを削除する。
docker image pull	docker pull	レジストリからイメージを取得する。
docker image push	docker push	イメージをレジストリに送信する。
docker image rm	docker rmi	イメージを削除する。
docker image save	docker save	イメージを保存する。
docker image tag	docker tag	イメージにタグを付与する。

こちらも同じく、image を明示することで、対象がイメージであることがわかりやすくなっています。

コマンド書式とオプションの例

ここで一つ、具体的なコマンドを例にオプションも整理してみます。

docker container run --name webserver -d -p 8080:80 nginx

部分	説明
docker container run	新しいコンテナを起動する。
--name webserver	コンテナに名前をつける。
-d	デタッチモード（バックグラウンド実行）
-p 8080:80	ホストの8080番ポートをコンテナの80番にマッピング
nginx	使用するイメージ名

よく使うオプション一覧（runコマンド）

オプション	説明
--name 名前	コンテナに任意の名前をつける。
-d	バックグラウンドで実行する。
-it	対話モードで実行する。
-p ホスト:コンテナ	ポート番号をマッピングする。
-v ホスト:コンテナ	ボリュームをマウントする。

まとめ

　Dockerコマンドは、以前は単純に「docker run」「docker ps」のように対象が省略されていましたが、現在では docker container run や docker image ls のように対象を明示する形に進化しています。新しい形式はより直感的で、初心者にもわかりやすい書き方です。古いコマンドもまだ使えますが、将来的に削除される可能性があるため、新しい書き方に慣れておくことを強くおすすめします。