Docker超入門:Dockerイメージを作る流れをステップごとに理解しよう

 Dockerイメージを自分で作れるようになると、開発やデプロイがとてもスムーズになります。イメージは「アプリを動かすための箱」と考えるとわかりやすいです。ここでは、Dockerイメージを作る流れをステップごとに解説していきます。

Dockerイメージを作る流れ

Dockerイメージを作成する流れは次のようになります。

 最初に、必要なベースイメージをDocker Hubから取得します。次に、Dockerfileを作成し、イメージのビルド手順を定義します。その後、Dockerfileを元にイメージをビルドし、必要に応じてテストを行います。

 イメージが完成したら、公開するかどうかを決定し、必要に応じてレジストリにプッシュします。最後に、アプリケーションやシステムの変更に応じて、定期的にイメージを保守および更新します。

① イメージの取得(pull)

 最初のステップは、ベースとなるイメージを取得することです。Docker Hubなどのリポジトリから必要なイメージを pull してきます。

コマンドの書式

docker image pull <イメージ名>:<タグ>

使用例

docker image pull ubuntu:latest

オプション表

オプション説明
:タグ指定なしlatest タグが自動的に使われる
--platform取得するアーキテクチャを指定 (例: linux/arm64)

イメージを取得したら docker image ls でローカルに保存されているか確認できます。

② Dockerfileの作成

次に Dockerfile を用意します。これは「どんな手順でイメージを作るか」を書いたレシピのようなものです。

Dockerfileの基本構造

# ベースイメージの指定
FROM <ベースイメージ>:<タグ>

# 追加の設定、コマンド、ファイルの追加
RUN <コマンド>
COPY <ローカルのファイル> <イメージ内のパス>

代表的な命令

命令説明
FROMベースとなるイメージを指定
RUNパッケージインストールや設定コマンドを実行
COPYファイルをローカルからイメージ内にコピー
USERコンテナ実行時のユーザーを指定
EXPOSE使用するポートを指定

このDockerfileを書いておくことで、誰でも同じイメージを再現できます。

③ イメージのビルド

Dockerfileができたら、いよいよイメージをビルドします。

コマンドの書式

docker image build -t <イメージ名>:<タグ> <Dockerfileがあるディレクトリ>

使用例

docker image build -t myapp:latest .

オプション表

オプション説明
-tイメージに名前とタグをつける
-fDockerfileのファイル名を指定
--no-cacheキャッシュを使わずにビルド

これでローカルに自分専用のイメージが作られます。

④ イメージのテスト

作ったイメージがちゃんと動くかテストしましょう。

コマンド例

docker run -it --rm myapp:latest
オプション説明
-it対話モードでコンテナを実行
--rmコンテナ終了時に自動削除

実際にアプリが動けば成功です。必要なら自動テストを組み込むこともできます。

⑤ イメージの公開(オプション)

他の人と共有したい場合は、Docker Hubなどのリポジトリに push します。

コマンドの書式

docker image push <DockerID>/<イメージ名>:<タグ>

プッシュする前に docker login で認証が必要です。

⑥ イメージの保守と更新

アプリやライブラリが更新されたら、Dockerfileを修正して再度ビルドします。レジストリに公開している場合は、新しいタグをつけてプッシュすると他の人も最新版を使えます。

まとめ

Dockerイメージを作る流れは次のステップです。

  1. ベースイメージを取得
  2. Dockerfileを作成
  3. イメージをビルド
  4. テストで動作確認
  5. 必要に応じて公開
  6. 定期的に保守・更新

こうしておけば、いつでも同じ環境を誰でも再現できるようになります。

これで「Dockerイメージを作る流れ」がステップごとに理解できるようになりました!