【Docker基礎】Dockerコマンドの基本まとめ

Docker コマンドは、コンテナを操作するうえで欠かせない存在です。
 「上位コマンド/副コマンド」「オプション」「対象」「引数」といった要素をどのように組み合わせるかによって、さまざまな動きを制御できます。
 ここでは、Docker コマンドの基本構造をもう一度整理し、各要素が何を示すのかをまとめて確認していきましょう。


Docker コマンドの基本形

最もベーシックな形は、次のように表せます。

docker コマンド (オプション) 対象 (引数)

コマンドの例: docker container run -d penguin --mode=1

  • コマンド
    ・「上位コマンド / 副コマンド」の組み合わせで、「何を」「どうする」を表す
    ・例: docker container run, docker image pull
  • オプション
    ・コマンドの動作をカスタマイズする設定
    ・例: -d(バックグラウンド起動)、-it(対話的にターミナルを接続)、--name penguin(コンテナ名を指定)
  • 対象
    ・コマンドが作用する具体的な名前(イメージ名・コンテナ名など)
    ・例: penguin(イメージ名)
  • 引数
    ・対象に設定する追加情報やパラメータ
    ・例: --mode=1--style nankyoku

コマンド(上位コマンド/副コマンド)

Docker コマンドの中心は、上位コマンド副コマンド の二段構えです。

  • 上位コマンド: container, image, network, volume など
  • 副コマンド: run, pull, start, stop, rm など

例: docker container run penguin

  • 上位コマンド: container
  • 副コマンド: run
  • 対象: penguin

省略形

 歴史的経緯から、「docker run」「docker pull」のように、上位コマンドを省略して書けるケースもあります。これは慣用的に使われており、多くの現場で省略形が使われています。

コマンドの記述例

docker container run
docker run ← docker container run を省略して書いた記述例

オプション

オプションは、コマンドの動作を細かく制御するための設定です。

  • 通常は --- から始まる。
  • 例: -d, -it, --name, --all など

オプション値

 --name penguin のように、オプションに値を渡すことで「コンテナ名を penguin とする」といった意味を持たせられます。

短いオプションをまとめる

-d -i -t-dit と一度にまとめられるのも特徴です。

「-d」「-i」「-t」をまとめた記述例: -dit

対象

コマンドの「何を」「どうする」に対して、具体的な名前やID を指定するのが「対象」です。

  • イメージ名やコンテナ名、コンテナID など
  • 例: penguin(イメージ名・またはコンテナ名として使用)

docker container start penguin

上記の例では、「penguin」というコンテナを開始します(対象: penguin)。

引数

引数は、オプションと似ていますが、対象に対して付加情報を設定するイメージです。

  • 例: --mode=1, --style nankyoku
  • 特定のソフトウェアの設定値や、実行時に参照するパラメータとして使用

実務ではそれほど多用する場面は多くありませんが、複雑なアプリケーションを設定する際には役立ちます。


まとめ

  1. docker コマンド (オプション) 対象 (引数)
    ・基本形をしっかり理解しておくと、長いコマンドも読み解きやすい。
  2. コマンド(上位コマンド/副コマンド)の理解
    docker <上位コマンド> <副コマンド> で「何を」「どうする」を明確にする。
    ・省略形の docker run, docker pull などもある。
  3. オプション: コマンドの実行方法をカスタマイズ
    -d, -it, --name など
    ・まとめ書きできる(例: -dit
  4. 対象: イメージ名やコンテナ名
    ・どのイメージ/コンテナに対して処理を行うかを指定
  5. 引数: 対象に付与するパラメータ
    ・具体的な設定値や環境パラメータなどを記述

 Docker コマンドは、まずは「上位コマンド」「副コマンド」「オプション」「対象」「引数」の位置づけを意識することが重要です。これらを押さえておけば、より複雑なコマンドを扱うときも、どこに何が書いてあり、どのように動作するのか を理解しやすくなります。この基本形を実際に使いながら、代表的なコマンドをひとつひとつ試していきましょう。