【Docker基礎】イメージ操作関連コマンド
Docker を使う上で欠かせないのが、「イメージ」に関する操作です。イメージはコンテナの“もと”となるファイルであり、新しいコンテナを作成する際には必ずどこかからイメージを入手したり、自分で作成したりします。
ここでは、イメージに対してどんな操作が行えるのか、またそれらを司る「docker image」上位コマンドと主要な副コマンドを紹介します。
イメージ操作の基本構文
Docker イメージの操作は、次のような構文で実行されます。
docker image <副コマンド> [オプション]
- 上位コマンド：
image - 副コマンド： pull / rm / ls / build など
- オプション： イメージに対する追加設定や動作をカスタマイズする際に指定
一部のコマンドは省略記法（古い書き方）として、docker pull や docker rmi（image rm の省略形）でも実行できます。ただし、これらは歴史的経緯によるもので、新しい書き方「docker image <副コマンド>」を覚えると体系的に理解できます。
イメージ操作関連コマンド一覧
下表は、主なイメージ操作コマンド（副コマンド）とその内容、および省略可否や主なオプションをまとめたものです。
| 副コマンド | 内容 | 省略 | 主なオプション |
|---|---|---|---|
| pull | Docker Hub などのリポジトリから イメージをダウンロード。 | 可 | あまり指定しない |
| rm | イメージを削除 する。旧省略形： docker rmi | *2 | あまり指定しない |
| ls | ローカルに保存されている イメージ一覧 を表示する。旧省略形： なし。 | 不可 | あまり指定しない |
| build | Docker イメージを作成 する（Dockerfile から）。コンテナ実行に必要な環境をまとめたイメージを作る | 可 | -t（名前 or タグを付ける） |
*2: rm の旧省略形は docker rmi。
コマンド使用例
ここでは、代表的な場面で使う例を挙げます。
１．イメージをダウンロード: docker image pull
docker image pull ubuntu- 内容： Ubuntu イメージを Docker Hub からダウンロード
- 省略形：
docker pull ubuntu
２．イメージを削除: docker image rm
docker image rm ubuntu- 内容： ローカルにある
ubuntuイメージを削除 - 省略形：
docker rmi ubuntu
３．イメージの一覧表示: docker image ls
docker image ls- 内容： ローカルにダウンロード済みのイメージを一覧表示
- 省略形： なし（
docker imagesとは少し異なり、現在はdocker image lsが正式に推奨）
４．イメージの作成: docker image build
docker image build -t myapp:1.0 .- 内容： カレントディレクトリにある Dockerfile を使って、新しいイメージ
myapp:1.0を作成 - オプション：
-tでイメージの名前とタグを指定 (myapp:1.0)
まとめ
- docker image + 副コマンド でイメージに関する操作を行う
・例：docker image pull（イメージをダウンロード）、docker image rm（イメージ削除）、docker image ls（一覧表示）など - 省略記法も存在：
docker pull,docker rmiなどは旧式だが今でもよく使われる - イメージを自作する：
docker image build -t <名前>:<タグ> <コンテキスト>で Dockerfile からイメージを作成
イメージはコンテナの「もと」となる最重要ファイルです。どこからダウンロードするのか（pull）、どうやって削除するのか（rm）、一覧をどう見るか（ls）、自前でどう作るか（build）など、それぞれのコマンドを使いこなすことでスムーズな Docker 運用が可能になります。
以降の章で、これらのイメージ操作コマンドを実際に打ちながら、Dockerfile の基本構造やイメージのバージョン管理など、より実践的なテクニックを学んでいきましょう。