
【Docker基礎】ボリューム操作関連コマンド
Docker を運用するうえで欠かせないのが「ボリューム」です。ボリュームとは、コンテナからマウントできるストレージ領域のことで、コンテナを破棄してもデータを残したい場合や、複数コンテナでデータを共有したい場合に利用します。
ここでは、ボリュームの作成・一覧・削除などを行う「docker volume
」コマンドと、その代表的な副コマンドについて解説します。

ボリューム操作の基本構文
Docker でボリュームを扱う際は、次のような形式でコマンドを入力します。
docker volume <副コマンド> [オプション]
- 上位コマンド:
volume
- 副コマンド: create / inspect / ls / prune / rm など
- オプション:
--name
などを必要に応じて指定
他の Docker コマンドと異なり、ボリューム関連のコマンドは省略形がありません(古い記述方法も存在しません)。したがって、必ず docker volume create
のようにフルの形で実行する必要があります。
ボリューム操作関連コマンド一覧
以下は、代表的なボリューム操作コマンドとその内容、主なオプションをまとめたものです。
副コマンド | 内容 | 省略 | 主なオプション |
---|---|---|---|
create | 新しいボリュームを作成する。コンテナ内でマウントして使うための空のストレージ領域を確保。 | 不可 | --name (ボリューム名を指定) |
inspect | 指定したボリュームの詳細情報を表示する。マウントパスやドライバ、コンテナとの紐づけ状況などがわかる。 | 不可 | あまり指定しない |
ls | 既存のボリュームの一覧表示。ローカルに作成されたボリュームがどのくらいあるのか確認できる。 | 不可 | -a (すべてを表示) |
prune | 使われていない(マウントされていない)ボリュームを一括削除する。ディスクを整理したいときに便利。 | 不可 | あまり指定しない |
rm | 特定のボリュームを削除する。不要になったボリュームを個別に消してディスクを節約。 | 不可 | あまり指定しない |
コマンド使用例
1.新しいボリュームを作成:docker volume create
docker volume create --name my-volume
- 意味:
my-volume
という名前のボリュームを新規作成する。 - ポイント
・名前を省略するとランダムな文字列のボリューム名が付けられる。
・明示的に名前を付けておくとコンテナでマウントするときにわかりやすい。
2.ボリューム情報を確認:docker volume inspect
docker volume inspect my-volume
- 意味:
my-volume
の詳細情報(マウントポイント、ドライバ、使用状況など)を表示 - ポイント
・JSON形式で出力される。
・他のコンテナが使用中かどうかなどもわかる。
3.ボリュームの一覧表示:docker volume ls
docker volume ls
- 意味: ローカルに作成されたボリュームの一覧を表示
- ポイント
・-a
オプションは存在するが、volume ls
では単に全ボリュームを出すことが基本
・各ボリュームのドライバ、名前が確認できる。
4.未使用ボリュームを一括削除:docker volume prune
docker volume prune
- 意味: どのコンテナからも使われていないボリュームをまとめて削除
- ポイント
・削除対象のボリュームが大量にある場合、ディスクを一気に開放できる。
・必要なデータがないか注意して実行
5.特定のボリュームを削除:docker volume rm
docker volume rm my-volume
- 意味:
my-volume
を削除 - ポイント
・誤って削除すると、中のデータが失われる。
・事前にdocker volume inspect
で使われていないことを確認すると安全
まとめ
- docker volume + 副コマンド でボリュームを作成・管理・削除
・create / inspect / ls / prune / rm - 省略形なし: 「docker volume create」など、フルコマンド記法のみが使われる
- よくあるパターン
・ボリュームを作成(create) → コンテナで-v
オプションでマウント → データを永続化
・終了後に不要なボリュームは rm や prune で削除
ボリュームは「コンテナのライフサイクルとは切り離してデータを残す/共有する手段」として非常に重要です。コンテナを破棄してもデータを維持したいときは積極的に活用していきましょう。次章以降では、さらにネットワーク関連コマンドや実際のボリュームマウント事例など、より実践的な運用方法を学んでいきます。