
【Docker基礎】Docker DesptopとDocker Toolboxの違い
Windows や Mac で Docker を使う際、「Docker Desktop」というデスクトップ版の他に、かつては「Docker Toolbox」という選択肢が存在しました。
Toolbox版はすでに「レガシー(時代遅れ)」扱いとなっており、公式からも非推奨となっています。しかし一時期、デスクトップ版の不安定さを嫌って Toolbox 版を使うユーザーがいたのも事実です。ここでは、両者の構成や歴史的背景、そして現在の立ち位置の違いを解説します。

デスクトップ版とToolbox版の大きな違い
項目 | デスクトップ版 (Docker Desktop) | Toolbox版 (Docker Toolbox) |
---|---|---|
対応OS | Windows / Mac | Windows / Mac |
仮想化ソフト | Hyper-V (Windows), HyperKit (Mac) | VirtualBox |
共通点
どちらも Windows / Mac 上で Docker を使う ためのパッケージ
相違点
仮想化ソフトウェア
- デスクトップ版:Hyper-V(Windows) / HyperKit(Mac)
- Toolbox版:VirtualBox
Docker Desktop(デスクトップ版)とは

- 最新の公式パッケージ
Docker 社が提供している現行の正式なソリューション - 裏で Hyper-V / HyperKit を使う
Windows や Mac のネイティブ仮想環境を活用して Linux を動かす。 - 初心者にもやさしい
インストールがシンプルで、仮想化ソフトウェアや Linux OS を意識せずに Docker を使える。
かつての不安定さ
初期の Docker Desktop はバージョンが若く、仮想環境の不具合などで動作が不安定と感じる事例がありました。今では大幅に改善されており、原則として Docker Desktop の利用が推奨されています。
Docker Toolbox(Toolbox版)とは
- VirtualBox を使う構成
Windows / Mac に VirtualBox をインストールし、その中で Linux + Docker を動かす。 - デスクトップ版が安定しなかった頃の選択肢
デスクトップ版で Hyper-V や HyperKit の相性問題があった場合、VirtualBox を使った Toolbox版を代替として使う人もいた。 - すでに“レガシー”
公式には非推奨となり、メンテナンスもほぼ行われていない。最近の Docker 機能を正常に使えないケースも多い。
なぜ Toolbox を使う人がいたのか
- 仮想環境の相性問題
・Hyper-V (Windows) や HyperKit (Mac) による不具合やパフォーマンス低下が原因
・VirtualBox のほうが動作が安定するマシン環境もあった。 - 過去の慣習・ドキュメント
・古いチュートリアルやドキュメントで Toolbox が紹介されている場合も多く、移行のタイミングを逃したユーザーもいた
現在の状況
- Docker Desktop が改良され、不安定さはほぼ解消
- Toolbox はアップデートされないため、今後はサポートされない機能が増える見込み。
まとめ
- Docker Desktop
・現在の標準的な Windows / Mac 向けソリューション
・Hyper-V(Windows)・HyperKit(Mac)を使い、ユーザーは仮想化を意識せずに Docker を利用できる。
・更新も活発で、最新の Docker 機能をサポート - Docker Toolbox
・VirtualBox に依存する旧来のパッケージ
・かつて Docker Desktop が不安定な時期に使われたが、いまは 非推奨
・新機能やサポート面で制限が多い
結論として、現在は Docker Desktop を使うのが圧倒的におすすめ です。過去の環境や特殊な理由で Toolbox にこだわるケースもあるかもしれませんが、運用上のトラブルやサポート切れのリスクが高い点に留意してください。それでは、実際に Docker Desktop をインストールする方法や、基本的なコマンド操作を学んでいきましょう。