【Docker基礎】Dockerコマンドの基本

 Docker を実際に操作する際、まずはコマンドライン(ターミナル/コマンドプロンプト)からコンテナを操作する方法を学ぶことが大切です。Docker のコマンドは基本的に「docker」というキーワードから始まり、その後ろに「何を」「どうする」「対象」という要素を続けて書きます。ここでは、コマンドの基本構造をわかりやすく整理し、これから実際に操作していくための土台を作りましょう。

コンテナ操作の基本は「docker」コマンドから

Docker でコンテナを動かす際、すべての操作は 「docker」 というコマンドから始まります。
 たとえばコンテナを起動するには docker run ...、イメージをダウンロードするには docker pull ...、というように docker コマンド + サブコマンド + 対象 という形式で記述します。

docker [コマンド] [対象] [オプション/引数]

  • コマンドプロンプト / ターミナル
    コマンドを入力する場所(Windows: cmd / PowerShell、Mac / Linux: Terminal など)
  • プロンプト $
    入力待ちを示す記号。実行時は $ の後ろにコマンドを打ち込み、Enter キーで実行。

「上位コマンド」と「副コマンド」

Docker のコマンドは、主に以下の形式で書きます。

docker <上位コマンド> <副コマンド> <対象> …

  • 上位コマンド
    何を操作するかを示す(例: container, image, network, volume など)
  • 副コマンド
    具体的にどう操作するかを示す(例: run, pull, start, stop など)
  • 対象
    操作の対象となる イメージ名コンテナ名 / コンテナID、もしくはオプション・引数などが続く

例:イメージを pull する

※これは例です。存在しないイメージなので実行はできません。

docker image pull penguin
  • 上位コマンド: image (イメージを操作)
  • 副コマンド: pull (イメージをダウンロード)
  • 対象: penguin (イメージ名)

基本構文の例

  1. イメージをダウンロード: docker image pull <イメージ名>
  2. コンテナを新規に作成 & 起動: docker container run <イメージ名>
  3. コンテナを開始: docker container start <コンテナ名またはID>

実行例(概念的に)

  • 「penguin」というイメージをダウンロード: docker image pull penguin
  • 「penguin」をコンテナとして起動: docker container run penguin
  • 既に停止中のコンテナ(penguin)を再度起動: docker container start penguin

オプションと引数

Docker コマンドには、オプションや引数と呼ばれる付加情報を指定できる場合があります。

  • オプション: -d, -p, --name など、短いフラグやロングオプションで表現
    ・例: -d(デタッチドモード/バックグラウンドで起動)
    ・例: -p 80:80(ポートマッピング:ホストの80番をコンテナの80番に接続)
  • 引数--mode=1, --env=KEY=VALUE など、追加情報として書くもの
    ・例: --mode=1(モードを1に設定して起動する)

オプションや引数を付けたコマンドの例

  • 上位コマンド: container
  • 副コマンド: run
  • オプション: -d (バックグラウンド実行)
  • 対象: penguin (イメージ名)
  • 引数: --mode=1 (モード1で起動)

まとめ

  1. 基本構文は「docker [上位コマンド] [副コマンド] [対象]」
    docker container run penguin のように、コンテナやイメージに対する操作をわかりやすく指定
  2. 「上位コマンド」と「副コマンド」
    containerimagenetwork などが上位コマンド
    run, pull, start, stop などが副コマンド
  3. オプションと引数
    -d, --name=..., --mode=... などでコマンドを柔軟に制御
    ・必要に応じて追加する。

 Docker コマンドを操作する上で大事なのは、「上位コマンド」「副コマンド」「対象」という三要素を理解することです。どの要素が何を表すのかを意識してコマンドを書くと、長いコマンド文も読み解きやすくなります。
 次の「Dockerコマンドの基本まとめ」では、Dockerコマンドの使い方について分かりやすくまとめ、解説します。