【Docker基礎】Dockerを使うには

 ここから、実際に Docker をインストールして手を動かすハンズオンへ進んでいきましょう。
Docker は「Linux でしか動かない」と言われることもありますが、Windows や Mac 上でも “見えない形” で Linux を使うことで同様の操作が可能です。ここでは、Docker を動かすための3つの代表的な方法と、それぞれの特徴を分かりやすくまとめます。

Docker を使う3つの方法

  1. Linux のマシンで Docker を使う
    ・Linux OS がインストールされた物理サーバや仮想マシン上で、aptyum 等を使って Docker Engine を導入
    ・ホスト OS がそのまま Linux のため、Docker はネイティブに動作する。
  2. 仮想マシンやレンタルサーバを使って Windows / Mac から操作
    ・VirtualBox、VMware、あるいはクラウドの Linux サーバなどに Docker をインストール
    ・Windows や Mac 上には、SSH クライアントやリモートツールを入れて、リモートで Docker を操作
    ・仮想化ソフトウェア + Linux + Docker、という構成
  3. Windows 用 / Mac 用 Docker(Docker Desktop)を使う
    ・Docker 社が配布している「Docker Desktop for Windows / Mac」をインストールするだけで OK
    ・裏で仮想化ソフトウェア(Hyper-V や HyperKit)と Linux が動いているが、ユーザーは意識しなくてよい。
    ・一番手軽で、初心者におすすめ

 本サイトでは③の「Windows 用 Docker(Docker Desktop)を使う」方法で解説をしていきます。どの環境を選んでも、ハンズオンで学べる内容に大きな違いはありませんので、ご安心ください。

仮想マシンを使う方法

コンポーネント
5層目🐳 Docker Engine(ここに構築される)
4層目🐧 Linux OS
3層目👾 仮想環境 VirtualBox / VMware
2層目🖥️ Windows
1層目🖴 物理的なマシン

Windowsのデスクトップ版の場合

コンポーネント
4層目🐳 Docker Engine(ここに構築される)
3層目🐧 Linux OS
2層目👾 仮想環境 Hyper-V(🖥️ Windows)
1層目🖴 物理的なマシン

どの方法を選べばいいか

  • Linux マシンが身近にある or サーバー管理に慣れている場合
    → 直接 Linux にインストールする方法がわかりやすい
  • 仮想マシンを使いこなしている or クラウドで Docker を試したい場合
    → 手動で VM を立ち上げて Docker を入れてもよい(学習コストはやや高め)
  • 初心者や学習目的で、Windows / Mac から始めたい場合
    Docker Desktop をインストールすれば、仮想化や Linux を意識せずすぐに使える。

 いずれの方法を選んでも、Docker の操作方法(コマンド類)に大きな違いはありません。環境準備の手順が異なるだけで、コマンドの動きや挙動は同じです。

Windows / Mac 用 Docker(Docker Desktop)とは

Windows や Mac 上で Docker を動かす際、多くの方が利用するのが Docker Desktop です。

Docker Desktop for Windows / Docker Desktop for Mac

  • Docker 社が公式に配布
  • 裏で Hyper-V(Windows)や HyperKit(Mac)といった仮想化ソフトウェアを使い、そこに Linux OS が動いている。
  • ユーザーは仮想マシンや Linux を意識せず、普通のアプリ感覚で Docker を使える。

メリット

  • インストールが手軽
    ・ダウンロード → インストール → “Docker Desktop” 起動だけで使える。
  • 裏で動く Linux を意識しなくてよい
    ・仮想マシンを立ち上げたり、SSH でログインしたり…といった手間が不要
  • コマンド操作は Linux の Docker と同じ
    docker rundocker ps といったコマンドも同様に使える。

OS を2つも入れて大丈夫?

 デスクトップ版 Docker を使うと、いつもの Windows / Mac とは別に “隠れた形” で Linux OS が同居します。

  • 一見複雑そうですが、Docker Desktop をアンインストールすれば、Linux 部分もまとめて消えるため、普段はまったく意識しなくて済みます。
  • 1 台のマシンに複数 OS が存在するイメージかもしれませんが、あくまで “Docker 用の軽量 Linux” が裏で動いているだけ、と思えば OK です。

まとめ

  1. Docker を動かす方法は大きく3つ
    1.Linux マシンで直接 Docker Engine を使う。
    2.仮想マシン / クラウド環境で Linux + Docker を運用(Windows / Mac はリモート操作)
    3.Docker Desktop(Windows / Mac 用)を利用(裏で Linux が動く)
  2. 初心者や学習目的なら Docker Desktop が手軽
    ・仮想化環境や Linux OS を意識せずに Docker を使える。
    ・コマンドラインの使い方は Linux 版と同じ。
  3. どの方法を選んでもコマンドは同じ
    ・環境準備のステップが異なるだけで、docker pulldocker run といった操作は共通

 これで、「Docker を使うには、どうやって環境を用意すればいいのか」がイメージできたはずです。
この章から、いよいよ具体的なインストール手順を示しながら、Docker の基本的な操作へと進んでいきます。どの環境を選んでも、ハンズオンで学べる内容に大きな違いはありませんので、ご安心ください。