【Docker基礎】Docker Hubとイメージとコンテナ

 Docker を使ううえで欠かせない要素が イメージコンテナ、そして多くのイメージが集まる Docker Hub です。
 「イメージ」はあくまで“コンテナを作るための素”であり、そのままでは動かせません。ここでは、イメージとコンテナの関係、そして Docker Hub がもたらすメリットについて簡単に見ていきましょう。

イメージとコンテナの関係

用語役割
イメージコンテナを作成するための“金型”・設計図(OSやソフトウェア構成などが含まれる)
コンテナイメージから作られた“実体”の環境。私たちが実際に動かすプログラムやデータが入る場所
  • イメージ ⇒ コンテナ
    ・イメージは「金型」のようなもので、イメージから複数の同じコンテナを量産できる。
    ・イメージ自体は動かすものではなく、そこから作られたコンテナこそが稼働する実体
  • コンテナ ⇒ イメージ
    ・一度作成・調整したコンテナを、新たなイメージとして“書き出し”できる。
    そのイメージを使えば、改良済みコンテナを何度でも素早く再現できる。

イメージはコンテナを量産する「金型」

 Dockerにおける「イメージ」は、コンテナを生成するためのテンプレートや設計図として機能します。このイメージは、OSやアプリケーション、ライブラリ、設定ファイルなどを含む静的なファイルの集合体であり、再現性のある環境を提供するための基盤です。

 金型(イメージ)はそれ自体で動作するわけではありませんが、必要に応じて何度でも同じ仕様の製品(コンテナ)を大量生産することができます。

Docker Hub とは何か

Docker Hub は、イメージが大量に集まっているインターネット上のリポジトリ(倉庫)です。

  • 公式イメージ: Docker 社や各ソフトウェアの公式が管理するもの
  • コミュニティイメージ: 有志が作成・公開しているもの(Node.js、Python、MySQL など様々)

必要なイメージを docker pull コマンドでダウンロードすれば、すぐにコンテナを作成できます。

  • 例: docker pull nginx → Nginx のイメージを取得
  • ダウンロードしたイメージをもとに docker run でコンテナを起動できる

コンテナからイメージを作るメリット

 すでに動いているコンテナを色々カスタマイズ(ソフトウェアをインストール、設定変更など)して、そこから新しいイメージを作る こともできます。

  • 改造済みコンテナ → 新イメージ作成
  • 新イメージから大量に同じ環境のコンテナを作成
  • 別の Docker 環境 にも、この新イメージを持っていけば、同じ改造環境を再構築可能

例: 大量のサーバを一気に準備

  1. ベースイメージからコンテナを起動
  2. 必要なソフトウェアや設定を追加
  3. カスタマイズ後のコンテナをイメージとして“書き出す”
  4. そのイメージを使って複数コンテナを起動 → 一瞬で全サーバの準備完了

Docker 間の移動と再構築

 コンテナそのものを直接コピーするのではなく、コンテナを新イメージに書き出して 持っていき、移動先で再構築するイメージです。

  • 「今の環境をそのまま別のサーバに移動したい」→ コンテナからイメージを作成 → 移動先の Docker にイメージを渡す → 再度コンテナを起動
  • 同じ OS 環境やソフトウェア構成を簡単に再現できるため、デプロイや開発の効率が向上

5. まとめ

  1. イメージは「金型」
    コンテナを量産するための設計図
  2. コンテナは「実体」
    イメージから作られ、実際に動作・データを扱う場
  3. Docker Hub はイメージの宝庫
    必要なイメージを瞬時に入手可能
  4. コンテナからイメージを作る利点
    カスタマイズを加えたコンテナをイメージ化して再利用・再配置できる
  5. 新イメージを持ち運ぶ ことで、別の Docker 環境でも同じコンテナを再構築可能

 こうした仕組みにより、「イメージを取得してコンテナを動かす → コンテナを調整 → 新イメージ作成 → 別環境で再構築」という流れがスムーズに行えるのが Docker の魅力です。