
【Docker基礎】Linuxは統一する必要があるのか
Docker を使うと、1 台の物理マシン(ホスト OS)上に複数の Linux ディストリビューションを同居させることが可能です。
「土台(ホスト OS)は Ubuntu、コンテナの中は CentOS」「あるコンテナは Debian、別のコンテナは Alpine」というように、ディストリビューションがバラバラでも問題なく動作します。ここでは、そうした柔軟性が Docker の魅力の一つであると同時に、ディストリビューションの選択がどのように影響するかを解説します。

全部入りコンテナの手軽さ
まず、Docker イメージを選ぶ際に「全部入りコンテナ」を利用することがあります。
- 全部入りコンテナ: Web サーバ (Apache や Nginx) とデータベース (MySQL など) がひとまとめになっているイメージ
- すぐに起動できるため、「ちょっと試したい」シチュエーションに最適
しかし、こうした全部入りイメージのベース OS(もどき)が何であっても、基本的には問題ありません。土台となる Linux とコンテナ内部の Linux が違っていても動作します。
2. OS(もどき)は統一しなくていい
Docker の特徴として、ホスト OS とコンテナ内 OS(もどき)は必ずしも同じである必要はない という点が挙げられます。
- ホスト (Physical Server): Ubuntu
- コンテナ A: Alpine + Apache
- コンテナ B: Debian + MySQL

このようにディストリビューションが異なっていても問題ありません。
そもそも、Docker を使った運用では「コンテナ内部を細かく操作」する場面が少ないため、実際に何のディストリビューションを使っているか意識しないケースも多いでしょう。
例外: ディストリビューションを意識すべき場合
- RDBMS のように OS 依存が大きいソフトウェア
・例: 一部のデータベースでは、特定のライブラリやカーネルモジュールが必要な場合がある。
・コンテナのディストリビューションを意図的に選ぶ必要あり。 - コンテナ内に直接ログインして操作する場合
・パッケージマネージャ(apt, yum, apk など)の使い方がディストリビューションごとに違う。
・バージョンの違いでコマンドが異なることもある。
「Latest(最新版)」のイメージを選ぶのは手軽
Docker Hub などでイメージを選ぶ際、初心者やテスト目的の場合は “latest” バージョンを使うことが多いです。
- 最新のディストリビューション + 最新のソフトウェアがセットになっており、すぐに使える。
- ただし、本番運用などで安定性を重視したい場合は 特定バージョン のイメージを選び、アップデートを慎重に管理することも重要
まとめ
- 「全部入りコンテナ」は手軽で便利
・すでに各種ソフトウェアがワンセットになっているため、すぐに試せる。 - ホスト OS とコンテナ内ディストリビューションは異なっていて問題なし
・Docker の隔離環境により、基本的に互いの影響を受けにくい。 - ディストリビューションを意識しない運用が多い
・イメージの OS を意識する機会は少ないが、OS 依存が強いソフトウェアの場合は要注意 - latest タグを使うか、特定バージョンを使うか
テスト・学習用途なら最新で十分なことが多い。
・本番運用ではバージョン固定と更新管理が重要
結論としては、Linux のディストリビューションを統一する必要はありません。むしろ、Docker を使っていれば、ディストリビューションを柔軟に選択できることが大きなメリットとなります。何を選ぶかはプロジェクトの要件やソフトウェアの互換性によりますが、とりあえず試す段階であれば “latest” や「全部入りコンテナ」を使って手軽に始めるのがおすすめです。