【Docker基礎】単独コマンド

 Docker には「上位コマンド + 副コマンド」という形式が基本ですが、そのルールに当てはまらない「単独コマンド (Solo Command)」がいくつか存在します。
 これらは、Docker のレジストリ(Docker Hub 等)とのやり取りや、バージョン情報の確認など、他とは少し違う立ち位置のコマンドです。ここでは、その代表的な 4 コマンドを紹介しながら、どんなときに使うのかを簡単に説明します。

単独コマンドとは

  • Solo Command とも呼ばれ、「docker login」や「docker search」のように上位コマンドを持たない
  • Docker における特殊な機能(認証や検索、バージョン表示など)を単体で提供する。

単独コマンドの一覧

単独コマンド内容主なオプション
loginDocker レジストリにログイン する。Docker Hub やプライベートレジストリへの認証を行う。-u(ユーザー名), -p(パスワード)
logoutDocker レジストリからログアウト する。認証情報を消し、リポジトリにアクセスできないようにする。あまり指定しない
searchDocker レジストリでイメージを検索 する。Docker Hub 上のイメージをキーワードで調べる際に便利。あまり指定しない
versionDocker Engine およびコマンドのバージョン表示。クライアント/サーバーのバージョンを確認できる。あまり指定しない

コマンドの使用例

1.レジストリにログイン: docker login

docker login -u myusername -p mypassword
  • 意味
    ・Docker Hub(または指定したレジストリ)にユーザー myusername とパスワード mypassword でログインする。
  • ポイント
    ・ユーザー名やパスワードはコマンドライン引数ではなく、対話形式で入力することが推奨される。
    docker login registry.example.com のようにレジストリを指定することも可能。

2.レジストリからログアウト: docker logout

docker logout
  • 意味
    ・既にログインしている Docker レジストリからログアウトする。
  • ポイント
    docker logout registry.example.com のようにレジストリを明示すると特定のレジストリからのみログアウトできる。
    ・セキュリティ上、不必要な認証情報はこまめに消すと安心。

3.イメージを検索: docker search

docker search ubuntu
  • 意味
    ・Docker Hub 上で「ubuntu」というキーワードにマッチするイメージを検索。
  • ポイント
    ・イメージ名、スター数(人気度)、ショートディスクリプションなどが表示される。
    ・正式イメージ(Official)かどうかも確認できる。

4.バージョン確認: docker version

docker version
  • 意味
    ・Docker クライアントとサーバー(エンジン)のバージョン情報を表示する。
  • ポイント
    ・何度実行してもシステムへの影響はないので、ターミナル操作の練習にも最適。
    ・バージョン差異による不具合が疑われるときにもチェックする。

まとめ

  • 単独コマンド (Solo Command) は、上位コマンドが存在しない Docker コマンド群。
  • 主にレジストリとの連携やバージョン情報の確認など、独自の機能を提供。
  • 4つの代表例
    1. login(レジストリへのログイン)
    2. logout(ログアウト)
    3. search(レジストリでイメージ検索)
    4. version(Docker のバージョン表示)

 これら単独コマンドは、Docker Hub やプライベートレジストリを使うとき、またはシステム情報をすばやく確認するときに活躍します。今後、Docker イメージのプッシュやプルを円滑に行うためにも、login / logout の仕組みはしっかり押さえておきましょう。