このページで解説している内容は、以下の YouTube 動画の解説で見ることができます。

【Docker基礎】簡単なコマンドを実行してみる

簡単なコマンドを実行してみる

　Docker をインストールしたら、まずは単純なコマンドを打ってみましょう。はじめに挑戦するのにおすすめなのが「docker version」です。これは Docker のバージョンを表示するだけのコマンドで、何度実行してもシステムに影響を与える心配がありません。ターミナル操作に不慣れな方は、この機会に少しずつ慣れていきましょう。

事前準備

  1. Docker Engine を起動
    ・Docker Desktop や Docker Engine が停止している場合は、事前に起動しておきます。
  2. ターミナルを開く
    ・Windows ならコマンドプロンプト／PowerShell、Mac や Linux なら標準のターミナルを起動します。

「docker version」を実行してみる

ターミナルのプロンプト

画面の最終行にカーソルが点滅しています。

PowerShell 7.4.6
PS C:\Users\joeac>

コマンドを入力

PS C:\Users\joeac> docker version

結果の例 

PS C:\Users\joeac> docker version
Client:
 Version:           27.2.0
 API version:       1.47
 Go version:        go1.21.13
 Git commit:        3ab4256
 Built:             Tue Aug 27 14:17:17 2024
 OS/Arch:           windows/amd64
 Context:           desktop-linux
...（以下省略）...
  • バージョン情報が表示されれば成功です。スペルミスなどがないかだけ注意しましょう。
  • 何度実行しても問題ありません。練習用に最適です。

その他の単独コマンド

　Docker には、上位コマンドを付けなくても単独で使えるコマンドがいくつかあります。ここでは、代表的なものをいくつか試してみましょう。

１．docker info

使い方

PS C:\Users\joeac> docker info

解説

  • Docker がどのように動作しているか、コンテナ数やイメージ数などの情報をまとめて表示します。
  • 例： 利用しているドライバ情報や、CPU/メモリの割り当て状況など。

実行例

PS C:\Users\joeac> docker info
Client:
 Version:    27.2.0
 Context:    desktop-linux
 Debug Mode: false
 Plugins:
  buildx: Docker Buildx (Docker Inc.)
    Version:  v0.16.2-desktop.1
    Path:     C:\Program Files\Docker\cli-plugins\docker-buildx.exe
  compose: Docker Compose (Docker Inc.)
    Version:  v2.29.2-desktop.2
    Path:     C:\Program Files\Docker\cli-plugins\docker-compose.exe
  debug: Get a shell into any image or container (Docker Inc.)
...（以下省略）...

２．docker help

使い方

PS C:\Users\joeac> docker help

解説

  • Docker コマンド全体のヘルプを表示します。
  • 特定のサブコマンド（例えば run）だけのヘルプを見たい場合は docker run --help と打ちます。

実行例 

PS C:\Users\joeac> docker help

Usage:  docker [OPTIONS] COMMAND

A self-sufficient runtime for containers

Common Commands:
  run         Create and run a new container from an image
  exec        Execute a command in a running container
  ps          List containers
  build       Build an image from a Dockerfile
...（以下省略）...

３．docker ps

使い方

PS C:\Users\joeac> docker ps

解説

  • 現在稼働中のコンテナの一覧を表示します。
  • コンテナが 1 つも起動していない場合は何も表示されないか、ヘッダ情報のみが表示されます。

実行例

PS C:\Users\joeac> docker ps
CONTAINER ID   IMAGE     COMMAND   CREATED   STATUS    PORTS     NAMES

上記はコンテナが 1 つも動いていない例です。

４．docker pull

使い方

例： docker pull nginx と入力すれば、nginx イメージを取得可能。

PS C:\Users\joeac> docker pull nginx

解説

Docker Hub などのリポジトリからイメージをダウンロード（取得）します。

実行例

PS C:\Users\joeac> docker pull nginx
Using default tag: latest
latest: Pulling from library/nginx
fd674058ff8f: Pull complete
566e42bcee1c: Pull complete
2b99b9c5d9e5: Pull complete
bd98674871f5: Pull complete
1e109dd2a0d7: Pull complete
da8cc133ff82: Pull complete
c44f27309ea1: Pull complete
Digest: sha256:42e917aaa1b5bb40dd0f6f7f4f857490ac7747d7ef73b391c774a41a8b994f15
Status: Downloaded newer image for nginx:latest
docker.io/library/nginx:latest

What's next:
    View a summary of image vulnerabilities and recommendations → docker scout quickview nginx

５．docker rmi

使い方

PS C:\Users\joeac> docker rmi nginx

解説

  • ローカルに保存されているイメージを削除します。
  • 事前に docker images コマンドなどで、削除したいイメージ名やイメージ ID を調べてから実行。

実行例

docker images コマンドでローカルに保存されているイメージを表示します。

PS C:\Users\joeac> docker images
REPOSITORY    TAG       IMAGE ID       CREATED         SIZE
nginx         latest    f876bfc1cc63   4 weeks ago     192MB
hello-world   latest    d2c94e258dcb   20 months ago   13.3kB

イメージ名 nginx を指定して、イメージを削除します。

PS C:\Users\joeac> docker rmi nginx
Untagged: nginx:latest
Untagged: nginx@sha256:42e917aaa1b5bb40dd0f6f7f4f857490ac7747d7ef73b391c774a41a8b994f15
Deleted: sha256:f876bfc1cc63d905bb9c8ebc5adc98375bb8e22920959719d1a96e8f594868fa
Deleted: sha256:e0f1c40b04bce92241b6a81812e29990b5ff711bfd3fb6817e4ec03f3f09cb72
Deleted: sha256:f3764bf5781131fa5df6d78bcde2d5905c7d2451b7084ff73d6cbb679fa2a573
Deleted: sha256:d0516283d34466f5e50f48966ce9c304cb665bd9a6fe984ca21166ff6d519264
Deleted: sha256:bf29edbdcdd853fb80ac4623db054796c3050017aa68dd79958ab61762fa85dc
Deleted: sha256:344c966b8cc1774f55cf5f6fb3c438c497a2a84d4e9e09befc7e1623f97029bf
Deleted: sha256:59db063f63f68b942f3c60769828c15efe9abd12362d5c6d925a0484bbf031d0
Deleted: sha256:8b296f48696071aafb5a6286ca60d441a7e559b192fc7f94bb63ee93dae98f17

イメージが正常に削除されると、Deleted: と表示されます。

まとめ

  • docker version
    Docker のバージョン情報を表示
  • docker info
    Docker の詳細設定や稼働状況を確認
  • docker help
    Docker コマンド全体のヘルプ
  • docker ps
    稼働中のコンテナ一覧を表示
  • docker pull
    イメージをダウンロード
  • docker rmi
    ローカルにあるイメージを削除

　いずれのコマンドも、実行してもシステムに大きな影響はありません（docker rmi はイメージを削除するため、誤って大事なイメージを消さないように注意は必要ですが）。まずはこれらのコマンドを何度か入力して、ターミナル操作に慣れておきましょう。

　これらの簡単なコマンドをマスターした後は、次のコンテンツ「代表的なDockerコマンド」で、コンテナ起動やイメージ操作のより実践的なこまんどについて学んでいきます。