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【Docker基礎】Dockerを使ってみる

Dockerを使ってみる

 Dockerは、アプリケーションの開発、配送、実行を効率化するための強力なツールです。ここでは、Dockerの基本的な操作方法を実際に手を動かしながら学んでいきます。まず初めに、Docker Desktop をインストール直後に、とりあえず、Dockerを動かしてその動作を確認する方法に焦点を当てます。

1.初めてのDockerコマンド:hello-world

 Dockerの動作確認として、まずは「Hello World」コンテナを実行してみましょう。これにより、Dockerが正しくインストールされ、動作していることを確認できます。

手順

1.1 Docker Desktopの起動

 Dockerを手っ取り早く動作させたい場合は、Docker Desktopを起動しておきます。これにより、取得しているイメージやコンテナの状況をGUIで確認できます。また、Dockerを操作する際は常にDocker Desktopを起動しておくことをお勧めします。

1.2 PowerShellでdockerコマンドを実行

次に、PowerShellを開き、以下のコマンドを入力します。

PowerShell 7.4.6
PS C:\Users\joeac> docker run hello-world
コマンドの解説
  • docker: Dockerのコマンドラインインターフェースを呼び出します。
  • run: 指定したイメージから新しいコンテナを作成し、実行します。
  • hello-world: 実行するイメージの名前です。初回実行時にはDocker Hubから自動的にダウンロードされます。
実行例
PS C:\Users\joeac> docker run hello-world

Unable to find image 'hello-world:latest' locally
latest: Pulling from library/hello-world
c1ec31eb5944: Pull complete
Digest: sha256:5b3cc85e16e3058003c13b7821318369dad01dac3dbb877aac3c28182255c724
Status: Downloaded newer image for hello-world:latest

Hello from Docker!
This message shows that your installation appears to be working correctly.
...(省略)...
実行結果の確認

 上記のように「Hello from Docker!」というメッセージが表示された場合、Docker Desktopが正しくインストールされ、動作していることを意味します。

2.Docker Desktopで状況を確認する

 Docker Desktopを使用すると、現在のイメージやコンテナの状況を視覚的に確認できます。以下の手順で確認してみましょう。

2.1 Docker Desktopの「Images」タブを確認

  1. Docker Desktopを開きます。
  2. 左側のメニューから「Images」タブを選択します。
項目説明
イメージ名hello-worldが表示されていることを確認します。

これにより、hello-worldイメージがローカルに存在することが確認できます。

2.2 Docker Desktopの「Containers」タブを確認

  1. 左側のメニューから「Containers」タブを選択します。
項目説明
Nameコンテナ名が表示されます。例: dazzling_spence(毎回異なる場合があります)
Image使用されているイメージ名が表示されます。例: hello-world

 コンテナ名は実行する度に異なる場合があり、これはDockerがランダムに生成するあだ名のようなものです。また、hello-worldイメージを使用していることが確認できます。

3.その他のDockerコマンド

 「Hello World」コンテナの実行が成功したら、次に基本的なDockerコマンドをいくつか試してみましょう。これにより、Dockerの基本操作に慣れることができます。

3.1 docker version コマンド

 Dockerのバージョン情報を確認するコマンドです。クライアントとサーバー(Docker Daemon)のバージョンを表示します。

実行例

PS C:\Users\joeac> docker version

出力例

PS C:\Users\joeac> docker version
Client:
 Version:           27.2.0
 API version:       1.47
 Go version:        go1.21.13
 Git commit:        3ab4256
 Built:             Tue Aug 27 14:17:17 2024
 OS/Arch:           windows/amd64
 Context:           desktop-linux

Server: Docker Desktop 4.34.2 (167172)
 Engine:
  Version:          27.2.0
  API version:      1.47 (minimum version 1.24)
  Go version:       go1.21.13
  Git commit:       3ab5c7d
  Built:            Tue Aug 27 14:15:15 2024
  OS/Arch:          linux/amd64
  Experimental:     false
 containerd:
  Version:          1.7.20
  GitCommit:        8fc6bcff51318944179630522a095cc9dbf9f353
 runc:
  Version:          1.1.13
  GitCommit:        v1.1.13-0-g58aa920
 docker-init:
  Version:          0.19.0
  GitCommit:        de40ad0

コマンドの解説

  • Client: Docker CLI(コマンドラインインターフェース)のバージョン情報です。
  • Server: Docker Daemon(サーバー)のバージョン情報です。
  • 各項目はバージョン、ビルド情報、使用しているプログラミング言語(Go)のバージョンなどを示しています。

3.2 docker system info コマンド

 Dockerの実行環境に関する詳細な情報を表示します。システムの状態や設定を確認する際に有用です。

実行例

PS C:\Users\joeac> docker system info

出力例

Client:
 Version:    27.2.0
 Context:    desktop-linux
 Debug Mode: false
 Plugins:
  buildx: Docker Buildx (Docker Inc.)
    Version:  v0.16.2-desktop.1
    Path:     C:\Program Files\Docker\cli-plugins\docker-buildx.exe
  compose: Docker Compose (Docker Inc.)
    Version:  v2.29.2-desktop.2
    Path:     C:\Program Files\Docker\cli-plugins\docker-compose.exe
  debug: Get a shell into any image or container (Docker Inc.)
    Version:  0.0.34
    Path:     C:\Program Files\Docker\cli-plugins\docker-debug.exe
  desktop: Docker Desktop commands (Alpha) (Docker Inc.)
    Version:  v0.0.15
...(以下省略)...

コマンドの解説

  • Client: Docker CLIに関する情報。
  • Server: Docker Daemonに関する情報。
  • Plugins: インストールされているDockerプラグインの一覧とそのバージョン。

 小難しい情報が表示されますが、基本的な理解として、Dockerの構成要素やバージョン、インストールされているプラグインなどを確認できます。

3.3 docker system df コマンド

 Dockerが使用しているディスクの利用状況を確認するコマンドです。イメージやコンテナ、ボリュームなどのサイズを把握できます。

実行例

PS C:\Users\joeac> docker system df

出力例

TYPE            TOTAL     ACTIVE    SIZE      RECLAIMABLE
Images          1         1         13.26kB   0B (0%)
Containers      1         0         0B        0B
Local Volumes   0         0         0B        0B
Build Cache     18        0         105.3MB   105.3MB

コマンドの解説

項目説明
TYPEリソースの種類(Images, Containers, Local Volumes, Build Cacheなど)
TOTAL各タイプの総数
ACTIVE使用中のリソース数
SIZE各タイプの合計サイズ
RECLAIMABLE回収可能なサイズ(不要なリソースとして削除できる容量)

 ディスクの利用状況を定期的に確認することで、不要なリソースを削除し、ディスクスペースを効率的に管理できます。

まとめ

 ここでは、Dockerの基本的な操作方法について実際にコマンドを実行しながら学びました。以下の内容を通じて、Dockerが正しくインストールされていることを確認し、基本的なコマンドの使い方に慣れることができました。

  • Hello Worldコンテナの実行
  • Docker Desktopでのイメージとコンテナの確認
  • その他の基本的なDockerコマンド(docker version, docker system info, docker system df

 これで、Dockerを学ぶための基本的な環境が整いました。次章以降では、より本格的なDockerの操作方法やコンテナの管理方法について詳しく学んでいきます。