【Docker基礎】コンテナは使っては捨てる

 Docker では、コンテナを作っては捨てる という運用が基本です。そのため、「Docker のファイルは消えやすい」という誤解を抱かれることがありますが、実際にはコンテナ自体を破棄する(削除する)場面が多いため、コンテナ上のファイルが一緒に消えてしまうだけなのです。ここでは、その誤解がどのように生まれるのか、そして本当の意味での“使っては捨てる”運用とは何かを解説します。

Docker のファイルは「消えやすい」のか?

  • 「ファイルが勝手に消える」わけではない
    コンテナのファイルが勝手に消えるわけではなく、あくまで コンテナを削除すれば、中にあるファイルも一緒に消える という仕組みです。
  • 「作っては捨てる」運用が基本
    Docker では、新しいバージョンや環境を用意するとき、既存のコンテナをアップデートするよりも、まっさらなコンテナを新しく作成 し、古いものを捨てるほうが効率的です。
    結果として、「捨てられたコンテナ内部のファイルは消える」 → “ファイルが消えやすい” と誤解される

コンテナファイルが消える理由

  1. コンテナ削除で一括消去
    docker rm <コンテナ名 or ID> などでコンテナを削除すると、コンテナ内部のファイルシステムも丸ごと消える。
  2. “作っては捨てる”使い方
    ・コンテナを長く保存しておく運用より、不要になったら即削除 → 新規作成のほうが Docker の強みを活かせる。
    ・そのため「コンテナを消す → 中のファイルも一緒に消える」という流れが頻繁に起きる。

「消えやすい」わけではなく「明示的に消している」

「Docker のファイルは消えやすい」は誤解で、本質的には 「明示的に削除している」 に過ぎません。

意図しない削除 を防ぐには

  • コンテナ外(ホストマシンのディスクやボリューム)にデータを保存する。
  • 重要なファイルはコンテナに閉じ込めず、ホスト側にマウントしたり、外部ストレージに置いたりすることで、コンテナ削除の影響を回避できる。

まとめ

  • Docker は「作っては捨てる」設計
    ・新しい環境を用意するとき、古いコンテナをアップデートするより、コンテナごと入れ替える方がラク
  • ファイルが勝手に消えるのではなく、コンテナ削除に伴い消える
    ・あくまで「明示的にコンテナを破棄 → ファイルシステムも一緒に消える」流れ
  • 永続化が必要なデータはホスト側に保存する
    ・Docker Volume や Bind Mount を使えば、コンテナ削除後もデータが残る。

 「コンテナは使っては捨てる」という運用自体は Docker の大きなメリットでもあります。誤解を招かないよう、データの取り扱いルールコンテナの性質 を正しく理解したうえで、Docker を活用していきましょう。