
【Docker基礎】コンテナを作る側と利用する側の知識
ここまで、Docker を用いて コンテナを使う ための基本的な技術(コンテナの立ち上げや停止、各種オプションの設定など)を学んできました。これらの知識があれば、大多数のアプリケーションを “コンテナを利用する” 立場として扱うことはできます。
しかし、“コンテナを作る” 立場、たとえば インフラエンジニアやサーバエンジニア に求められる知識はもう一歩踏み込んだ内容となります。本章からは、そうした “作り手” 側 に必要な応用的な技術を中心に解説していきます。

これまでの内容は「Docker の基礎」
- いくつかのコンテナ(WebサーバやLinux OSコンテナなど)を実際に作ってみた。
docker run
やdocker stop
、docker rm
などの基本的なコマンドを理解できているはず。- 「今まで扱ったことがないコンテナ」でも、オプション(ポート番号や環境変数など)がわかれば問題なく起動できる。
ここまで学んだ内容は、「コンテナを使う」場面ではじゅうぶん実践的です。もしも操作に不安があれば、また繰り返し作っては捨てる練習をして、コマンドを覚えこんでしまいましょう。
「コンテナを作る」と「コンテナを使う」の違い
- 使うだけ ならば、既存のイメージを
docker run
して各種オプションを設定すれば十分 - 作る側 は、それらを運用面やバージョン管理、セキュリティまで考慮し、環境定義ファイル(Dockerfile など)を整備する必要がある。
たとえば、今後のバージョンアップでイメージの動作に変更があったり、環境変数の指定方法が変わったりするケースがあります。
コンテナを作る側 はそうした変更に柔軟に対応し、必要があれば新しい Dockerfile を書き換える、compose.yml を書き換える、セキュリティホールに対策する、などの継続的作業が求められます。
応用技術への進み方

- 本章からは 応用的な範囲 に踏み込み、インフラエンジニア や セキュリティエンジニア にとって重要な内容も扱う。
- 一方、プログラマやデザイナ、PM や SE といった サーバ管理が主業務でない人 にとっては、「使えるだけで OK」の部分が大きい。
- 学ぶ・学ばない を決めるときは、自分の現場での必要性や役割を考慮するとよい。
「分からなければ無理しない」も大切
- 技術学習は楽しい反面、行き詰まると時間ばかり消費してしまうことも
- 今すぐ必要でないなら、要点だけ把握して別の次のコンテンツに進む、あるいは一旦、その個所をスキップするのも選択肢
オプションの選択とソフトウェア構築環境
- コンテナを作る際、どういうオプションが必要か で迷った場合、往々にして ソフトウェア自体の構築方法 が分かっていないことが多い
- たとえば、Webサーバのドキュメントルートをどこに置くのか、DB のデフォルト設定はどうなっているか、など
- なので、Docker の知識以前に ソフトウェア自体の設定や構成 を把握しておくことが大切
今後の Docker 学習ロードマップ
- これまでの基礎(コンテナを使う技術)
・「docker run」「docker stop」「docker rm」など、コンテナを使うためのコマンド
・ここは既にカバー済みで、日常運用にも十分対応できるスキル - 応用:作る側の技術(今後解説、当サイト「Docker入門」で解説)
・Dockerfile や Composeファイル などによる環境定義
・バージョン管理・セキュリティ更新や、クラスター化(Swarm / Kubernetes)などのさらなる運用面 - 無理をせず必要なところを学ぶ
・「将来的には必要そうだけど、今は使わない…」という技術は、ざっと目を通しておくだけでもOK
まとめ
- コンテナを使う技術 は、Docker 入門~中級レベルでカバーできるが、コンテナを作る技術 となると、インフラ面やセキュリティまで踏み込む必要がある
- 職種やプロジェクトによって必要な深さ が異なる
- 時間と必要性を見極めながら、まずは必須の部分(= これまでの章)をしっかり理解
- さらに深い内容を学ぶ場合、Dockerfile や複数コンテナの連携、クラウド/セキュリティ周りの知識も増やしていくとよい
本章以降は、“コンテナを作る側” に着目したやや応用的なトピックに踏み込みます。もし「ちょっとまだ難しそう…」と感じたら、重要なところだけ確認しつつ、次のハンズオンや学習コンテンツに進むのもアリです。自分の役割や必要性に合わせて、Docker をより深く学んでいきましょう。