
【Docker基礎】ソフトウェアとデータベースの関係
ここでは、ソフトウェアとデータベースの関係について詳しく解説します。特に、WordPressを例に取り、一般的なWebシステムにおけるソフトウェアとデータベースの連携方法を学びます。これにより、他のソフトウェアをDocker上で運用する際にも応用可能な知識を習得できます。

LAMP環境とは
WordPressを利用するためには、WordPress本体だけでなく、Webサーバー(Apacheやnginx)、プログラム言語の実行環境(PHP)、およびデータベース(MySQL)が必要です。このような構成は多くのWebシステムで採用されており、これを「LAMP環境」と呼びます。
LAMPの構成
LAMP環境は、以下の4つのソフトウェアから構成されます。
項目 | ソフトウェア名 |
---|---|
OS | Linux |
Webサーバー | Apacheまたはnginx |
プログラム言語 | PHP |
データベース | MySQL、MariaDB、PostgreSQL |
この環境は、安定性と拡張性に優れており、多くのWebアプリケーションがこの構成で動作しています。
ソフトウェアとデータベースの連携
Webアプリケーションが動作するためには、ソフトウェアとデータベースが密接に連携する必要があります。以下に、その関係性を詳しく説明します。
1.Webサーバーとプログラム言語の実行環境
Webサーバーは、ユーザーからのリクエストを受け取り、適切なレスポンスを返す役割を担います。例えば、Apacheやnginxがこれに該当します。プログラム言語の実行環境(PHP)は、Webサーバーからのリクエストを処理し、動的なコンテンツを生成します。
2.ソフトウェアとデータベースの関係
Webアプリケーション(この場合はWordPress)は、データベースと連携してデータの保存や取得を行います。データベースは、ユーザー情報、投稿内容、設定情報などを管理します。WordPressは、PHPを通じてMySQLデータベースと通信し、必要なデータを操作します。
3.コンテナの役割
Dockerを使用することで、各コンポーネントを独立したコンテナとして管理できます。これにより、環境の再現性が高まり、各サービスを個別にスケールさせることが可能になります。以下の図は、WordPressとMySQLがどのように連携しているかを示しています。
[ユーザー] <---> [Webサーバー (Apache/nginx)] <---> [PHP] <---> [MySQLデータベース]
LAMP環境の詳細

各コンポーネントの役割
コンポーネント | ソフトウェア名 | 役割 |
---|---|---|
OS | Linux | システムの基盤となり、他のソフトウェアを動作させる環境を提供します。 |
Webサーバー | Apache、nginx | ユーザーからのHTTPリクエストを受け取り、適切なレスポンスを返します。 |
プログラム言語 | PHP | 動的なWebコンテンツを生成し、ビジネスロジックを処理します。 |
データベース | MySQL、MariaDB、PostgreSQL | データの保存・管理を行い、Webアプリケーションからのデータ要求に応じてデータを提供します。 |
Dockerコンテナにおける運用
1.コンテナ化の利点
Dockerを利用することで、LAMP環境の各コンポーネントを独立したコンテナとして管理・運用することが可能になります。これにより、以下のような利点が得られます。
- 環境の再現性: 同一の設定で環境を構築できるため、開発環境と本番環境の差異を最小限に抑えられます。
- スケーラビリティ: 必要に応じて特定のコンポーネントのみをスケールさせることができます。
- 依存関係の管理: 各コンテナが独立しているため、依存関係の衝突を避けることができます。
2.コンテナ分割の具体例
以下に、LAMP環境をDockerコンテナで構築する際の具体的な構成例を示します。
コンテナ名 | イメージ名 | 説明 |
---|---|---|
wordpress-container | wordpress | WordPress本体を動作させるコンテナ。ApacheとPHPが含まれる。 |
mysql-container | mysql | MySQLデータベースを動作させるコンテナ。 |
まとめ
ここでは、ソフトウェアとデータベースの関係について詳しく解説しました。以下のポイントを押さえておきましょう。
- LAMP環境の理解: Linux、Apache/nginx、PHP、MySQL/MariaDB/PostgreSQLから構成されるLAMP環境の各コンポーネントの役割を理解する。
- ソフトウェアとデータベースの連携: Webサーバーとプログラム言語の実行環境がデータベースとどのように連携して動作するかを理解する。
- Dockerコンテナでの運用: 各コンポーネントを独立したコンテナとして運用する利点を理解し、具体的な構成例を学ぶ。
- 環境の再現性とスケーラビリティ: Dockerを活用することで、環境の再現性を高め、必要に応じてサービスをスケールさせる方法を理解する。
これらの知識を基に、実際の運用環境でもソフトウェアとデータベースをDocker上で効果的に管理・運用することが可能になります。次のコンテンツでは、Redmine+MySQLコンテナの作成と実行について解説し、他のソフトウェアの運用にも役立つ知識を習得します。引き続き、Dockerの学習を進めていきましょう。