Kubernetesには種類がある
Kubernetesは、クラウドやコンテナ技術を基盤とするインフラストラクチャにおいて、システムの管理・運用を自動化するためのツールです。しかし、Kubernetesにはさまざまな種類があり、特にクラウドサービスやカスタムソリューションとして提供されるバージョンが複数存在します。ここでは、Kubernetesの主な種類とその特徴について解説します。
Kubernetesの種類
種類 | 説明 |
---|---|
Kubernetes(本家版) | Cloud Native Computing Foundation (CNCF) が管理する公式版のKubernetes。オープンソースで提供されており、誰でも利用可能です。 |
AWS EKS | Amazon Web Services (AWS) が提供するKubernetesのマネージドサービスで、AWSクラウド環境に最適化されています。 |
Azure AKS | Microsoft Azure が提供するマネージドKubernetesサービスで、Azureクラウド向けに最適化されています。 |
Google Kubernetes Engine (GKE) | Google Cloud が提供するKubernetesサービスで、Googleが開発したKubernetesをクラウドで手軽に利用できます。 |
Rancher | Kubernetesクラスタの管理を簡素化するためのオープンソースプラットフォームで、マルチクラウド環境やオンプレミス環境での管理をサポートします。 |
K3s | Rancherが開発した軽量版Kubernetesで、リソースの少ない環境(IoTやエッジコンピューティングなど)での利用に適しています。 |
OpenShift | Red Hat が提供するエンタープライズ向けKubernetesプラットフォームで、DevOpsやCI/CD環境に特化した機能を持っています。 |
Cloud Native Computing Foundation (CNCF)
Kubernetesは、もともとGoogleが開発した技術ですが、現在は Cloud Native Computing Foundation (CNCF) によって管理されています。CNCFは、コンテナ技術を中心にクラウドネイティブなアーキテクチャを促進するための団体であり、さまざまな企業やコミュニティが参加しています。
- CNCFはKubernetesを含むさまざまなクラウドネイティブ技術を推進しており、公式の認定基準「Certified Kubernetes」も設けています。
- 「Certified Kubernetes」に認定された製品やサービスは、Kubernetesの仕様に準拠しており、互換性を保ちながら運用できます。
サードパーティのKubernetes
Kubernetesはオープンソースで提供されているため、さまざまなサードパーティ製のKubernetesも存在します。これらは、公式のKubernetesの機能を拡張したり、特定のクラウド環境に最適化されていたりします。たとえば、AWSの EKS やAzureの AKS などがその代表例です。
出典:https://www.cncf.io/training/certification/software-conformance/
互換性
サードパーティが提供するKubernetesは、Cloud Native Computing Foundationの基準を満たしているため、公式のKubernetesと互換性があります。この互換性を確保するために「Certified Kubernetes」の認定が付与されます。
まとめ
Kubernetesはさまざまな種類があり、クラウド環境やエッジコンピューティング環境、オンプレミス環境に応じて適切なバージョンを選ぶことが重要です。Cloud Native Computing Foundationの管理のもと、サードパーティ製のKubernetesも広く利用されており、オープンソースの文化が活発に反映されています。