Kubernetes入門:Kubernetesは常に最適な状態を保つ

 Kubernetesは、単なるコンテナオーケストレーションツールではなく、システムが定義された状態に常に一致するようにコンテナやリソースを管理・調整する能力を持っています。これにより、運用者が手動で介入することなく、システムの一貫性と安定性を確保することができます。この仕組みは「望ましい状態の維持」と呼ばれ、Kubernetesの大きな特徴の一つです。

Kubernetesは常に最適な状態を保つ

項目KubernetesDocker Compose
管理の方法YAMLファイルで望ましい状態を定義し、その状態を自動的に維持します。コンテナの作成時に構成を指定しますが、実行後は監視や自動調整を行いません。
監視機能コンテナの状態を常に監視し、障害が発生した場合は自動で修復します。コンテナ作成後は監視を行わないため、手動での介入が必要です。
スケールの管理コンテナの数やリソースを指定し、それに従って自動的にスケールします。スケーリングは手動で行い、監視や自動調整は行いません。
自動修復コンテナが故障した場合、自動で削除し再作成します。手動での介入が必要です。
常に最適な状態を保つ

 Kubernetesでは、システムのあるべき状態をYAMLファイルに定義し、それに従ってリソース(コンテナやボリューム)を自動的に作成・削除しながら管理します。これにより、ユーザーが手動で細かく操作する必要がなく、システム全体の安定性が保たれます。コンテナが壊れた場合や、スケーリングが必要な場合でも、Kubernetesが自動で調整を行い、常に最適な状態を維持します。

Kubernetesの望ましい状態の維持の流れ

状態説明
初期状態YAMLファイルで「コンテナ×個、ボリューム〇個」という構成を定義します。
運用中Kubernetesはこの定義に基づいて、指定された数のコンテナやボリュームを作成し、監視を行います。
障害発生時もしコンテナが故障した場合、Kubernetesは自動でそのコンテナを削除し、新しいコンテナを作成します。
状態変更定義ファイルを変更し、コンテナ数を減らすなどの指示をすると、Kubernetesは自動的にその変更に応じてリソースを調整します。
望ましい状態の維持の流れ

Docker Composeとの違い

 Docker Composeは、手動でスケールの管理を行い、作成後は監視をしないため、システムの状態を維持するためには人為的な介入が必要です。一方、Kubernetesは「望ましい状態」を常に監視し、システムがその状態に保たれているかを確認します。この違いは、運用の手間やシステムの信頼性に大きな影響を与えます。

Kubernetesの自動修復とスケーリングの利点

項目説明
自動修復コンテナが壊れた場合、Kubernetesが自動で新しいコンテナを作成します。これにより、システムの稼働を維持できます。
自動スケーリングコンテナの数やリソース使用量に応じて、自動でスケーリングを行い、負荷に対応します。
リソースの最適化Kubernetesはリソースを効率的に使い、必要に応じて拡張または縮小することで、リソースの無駄を最小限に抑えます。
スケーリングの利点

まとめ

 Kubernetesは、望ましい状態を常に保つために、自動でコンテナの作成・削除やスケーリングを行います。この仕組みはシステムの安定性と効率を高め、手動での介入が不要となるため、運用者の負担を大幅に軽減します。Docker Composeとの違いとしては、Kubernetesが常にシステムの状態を監視し、必要な場合に自動で修復やスケーリングを行う点が大きな利点です。