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Linux:ディレクトリの移動と確認コマンド

 Linuxのディレクトリ構造とパスの表記方法が理解したところで、実際にディレクトリを移動しながら操作を行っていきます。ここでは、ディレクトリの移動や現在のディレクトリの確認、そしてディレクトリ内のファイル表示に使用する基本的なコマンドについて解説します。

基本コマンドの概要

主に使用するコマンドは以下の3つです。

コマンド説明
pwd現在のカレントディレクトリを表示する。
cdカレントディレクトリを変更する。
lsディレクトリ内のファイルとディレクトリを一覧表示する。
基本コマンドの概要
pwdコマンドの概要

 pwd(print working directory)は、現在のカレントディレクトリの絶対パスを表示するコマンドです。作業中に自分がどのディレクトリにいるのかを確認する際に使用します。

cdコマンドの概要

 cd(change directory)は、カレントディレクトリを変更するためのコマンドです。指定したディレクトリに移動することで、そのディレクトリ内での操作が可能になります。

lsコマンドの概要

 lsは、指定したディレクトリ内のファイルやディレクトリを一覧表示するコマンドです。ファイルの存在確認や内容を確認する際に使用します。

コマンドとコマンドライン引数の例

cdコマンドは、後ろに指定したディレクトリにカレントディレクトリを変更します。

cd -P /usr/local

 上記コマンドの例では、コマンドの後ろにスペースで区切って文字列を指定しています。この文字列をコマンドライン引数と呼びます。コマンドによっては、コマンドライン引数に複数の値を取ったり、「オプション」を指定できたりします。

 また、-Pというオプションと、/usr/localというディレクトリを引数として指定しています。-Pオプションは、シンボリックリンクを解決して物理的なディレクトリに移動する際に使用します。

コマンドの使用例と解説

1.カレントディレクトリの変更

 カレントディレクトリを変更するには、cdコマンドを使用します。たとえば、/usrディレクトリに移動する場合は以下のように入力します。

user01@ubuntu:/usr/local$ cd /usr
user01@ubuntu:/usr$ 
2.カレントディレクトリの確認

 cdコマンドでカレントディレクトリを変更しても、「カレントディレクトリを移動した」といったメッセージは表示されません。これは、Linuxのコマンドが正常に実行された場合、特に何も表示しないのが一般的だからです。

 実際にディレクトリが変更されたか確認するためには、pwdコマンドを使用します。このコマンドを実行すると、現在のカレントディレクトリが表示されます。

user01@ubuntu:/usr$ pwd
/usr
3.ディレクトリ内のファイルを表示

 次に、/usrディレクトリ内のファイルやディレクトリを表示してみましょう。lsコマンドを引数なしで実行すると、カレントディレクトリの内容が一覧表示されます。

これにより、/usrディレクトリ内にあるファイルやサブディレクトリが表示されます。

user01@ubuntu:/usr$ ls
bin    include  lib64    local  share
games  lib      libexec  sbin   src
user01@ubuntu:/usr$ 
4.サブディレクトリへの移動

/usrのサブディレクトリであるlibに移動してみます。

user01@ubuntu:/usr$ cd lib
user01@ubuntu:/usr/lib$

 この例では、相対パスを使用して移動先のディレクトリを指定しています。現在のカレントディレクトリが/usrであるため、libと指定するだけで/usr/libに移動できます。絶対パスを使用する場合は、以下のようになります。

user01@ubuntu:/usr/lib$ cd /usr/lib
user01@ubuntu:/usr/lib$ 

どちらの方法でも結果は同じで、カレントディレクトリは/usr/libに変更されます。

user01@ubuntu:/usr/lib$ pwd
/usr/lib
5.親ディレクトリへの移動

元の/usrディレクトリに戻りたい場合は、以下のいずれかのコマンドを使用します。

cd /usr # 絶対パスでの指定
cd .. # 相対パスでの指定(親ディレクトリに移動)

..は親ディレクトリを指すため、相対パスで親ディレクトリに移動することができます。

相対パスで親ディレクトリに移動します。

user01@ubuntu:/usr/lib$ cd ..
user01@ubuntu:/usr$ pwd
/usr

まとめ

 ディレクトリの移動や現在位置の確認、そしてディレクトリ内の内容を表示する基本的なコマンドであるpwdcdlsを理解することで、Linux上でのファイル操作がスムーズになります。これらのコマンドは日常的によく使用するものなので、しっかりと使い方を身につけておきましょう。