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スクロール表示する:lessコマンド

lessコマンドとは

 lessコマンドは、長いファイルの内容をページ単位で表示し、上下にスクロールしながら閲覧できる強力なツールです。catコマンドではファイル全体を一度に表示するため、内容が多い場合には画面に収まりきらず確認が困難になります。そのような場合にlessコマンドを使用すると、快適にファイルの内容を閲覧できます。

lessコマンドの基本

ファイルを閲覧する際に、画面に収まりきらない内容をスクロールしながら確認できます。

【書式】
less [オプション] <ファイル名>

ファイルの内容をスクロール表示する

 lessコマンドは、指定したファイルの内容を1画面ごとに表示し、上下にスクロールすることが可能です。たとえば、システムBashの設定ファイルである/etc/bash.bashrcを閲覧してみましょう。

less /etc/bash.bashrc

実行すると、以下のような内容が画面に表示されます。

# System-wide .bashrc file for interactive bash(1) shells.

# To enable the settings / commands in this file for login shells as well,
# this file has to be sourced in /etc/profile.

# If not running interactively, don't do anything
[ -z "$PS1" ] && return

# Check the window size after each command and, if necessary,
# update the values of LINES and COLUMNS.
shopt -s checkwinsize

(以下省略)

注意: ディストリビューションによっては、設定ファイルが/etc/bashrcとなっている場合もあります。

 lessコマンドを使用することで、画面に収まらない長いファイルでも、1画面分だけ表示し、必要に応じてスクロールしながら内容を確認できます。

スクロール操作

lessコマンドでファイルを表示中に、以下のキー操作で画面を制御できます。

lessコマンドのスクロール操作
コマンド内容
スペースキー、fCtrl + v1画面下にスクロールする。
bMeta + v1画面上にスクロールする。
jCtrl + n、Enterキー1行下にスクロールする。
kCtrl + p1行上にスクロールする。
qlessコマンドを終了する。
スクロール操作

 一つの操作に複数のキーが割り当てられているため、最初は混乱するかもしれませんが、以下の基本的な操作を覚えておくと便利です。

  • スペースキー:1画面下にスクロール
  • bキー:1画面上にスクロール
  • jキー:1行下にスクロール
  • kキー:1行上にスクロール
  • qキーlessコマンドの終了

ファイル内の検索

 lessコマンドでは、現在表示しているファイル内から文字列を検索することができます。ファイルを表示中に/キーを押すと、画面の一番下に検索入力欄が表示されます。

検索の手順

  1. /キーを押す:検索モードに入ります。
  2. 検索したい文字列を入力:例としてetcと入力します。
  3. Enterキーを押す:指定した文字列を下方向に検索します。
/etc

 検索が成功すると、見つかった文字列の位置まで自動的にスクロールします。検索結果が複数ある場合には、nキーを押すたびに次の検索結果に移動します。逆に、前の検索結果に戻るにはNキーを押します。

lessコマンドの検索操作
コマンド内容
/ + 文字列下方向に向かって検索する。
? + 文字列上方向に向かって検索する。
n次の検索結果に移動する。
N前の検索結果に移動する。

まとめ

 lessコマンドは、長いファイルやコマンドの出力結果を閲覧する際に非常に便利なコマンドです。以下のポイントを押さえて、操作に慣れておきましょう。

  • 基本的なスクロール操作:スペースキーで1画面下にスクロール、qキーで終了
  • 検索機能の活用/キーで検索モードに入り、nキーで次の検索結果へ移動
  • 操作の練習:頻繁に使用することで、効率的に情報を確認できるようになります

 lessコマンドを使いこなすことで、ファイルの閲覧やログの確認がスムーズになり、Linuxでの作業効率が大幅に向上します。ぜひ積極的に活用してみてください。