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Linux:Tabによるパスの補完

 Linuxのシェル操作では、コマンド入力を効率化するためにTabキーによる補完機能が広く利用されています。この機能は、コマンド名だけでなく、ファイル名やパス名の補完にも活用できます。ここでは、cdコマンドを使って/usr/localディレクトリに移動する例を通じて、パスの補完方法を解説します。

パス名の補完の操作方法

1.部分的なパスを入力

まず、ターミナルで以下のように入力します。

user01@ubuntu:~$ cd /u

ここで、/uまで入力しました。

2.Tabキーを押す

次に、Tabキーを押します。すると、シェルがパス名を補完してくれます。

user01@ubuntu:~$ cd /usr/

cd /usr/まで自動的に補完されました。

3.さらにパスを入力して補完

続けて、/usr/の後にloまで入力します。

user01@ubuntu:~$ cd /usr/lo

再びTabキーを押します。シェルは可能なパス名を探し、補完します。

user01@ubuntu:~$ cd /usr/local/

これで、/usr/local/までが補完されました。

4.Enterキーでディレクトリ移動

最後に、Enterキーを押してコマンドを実行します。

user01@ubuntu:/usr/local$

これで、/usr/localディレクトリに移動できました。

補完機能の利点

  • 入力の手間を削減: 長いパス名をすべて入力する必要がなく、最初の数文字だけで済みます。
  • タイプミスの防止: シェルが正しいパス名を補完してくれるため、誤入力を減らせます。
  • 効率的な操作: コマンド入力がスムーズになり、作業効率が向上します。

補完機能の操作一覧

操作説明
部分的に入力してTabキー最初の数文字を入力し、Tabキーで補完を行う
候補が複数ある場合Tabキーを2回押すと候補一覧が表示され、選択して入力を続ける
補完機能の操作一覧

注意点

  • 複数の候補が存在する場合: 補完できないときは、Tabキーを2回押すと候補の一覧が表示されます。その中から目的のパス名を確認し、追加の文字を入力して再度Tabキーで補完します。
  • 大文字・小文字の区別: Linuxでは大文字と小文字が区別されるため、正確に入力する必要があります。

まとめ

 Tabキーによるパスの補完機能を活用することで、コマンド入力が簡単になり、作業効率が大幅に向上します。特に深いディレクトリ階層を移動する際や、長いファイル名を扱うときに非常に便利です。積極的にこの機能を利用して、快適なシェル操作を心がけましょう。