このページで解説している内容は、以下の YouTube 動画の解説で見ることができます。
Linuxコマンドの基本:環境変数を設定する:exportコマンド

環境変数を設定する:export
コマンド
Linuxシステムにおいて、環境変数を設定することでシェルやコマンドの動作をカスタマイズできます。環境変数は、シェル内だけでなく外部コマンドからも参照されるため、システム全体の挙動に影響を与えます。
ここでは、環境変数を設定するための基本的なコマンドである export
コマンド について詳しく解説します。export
コマンドを使用してシェル変数を環境変数として宣言することで、外部コマンドでもその変数を利用できるようになります。
具体的な例として、less
コマンドに特定のオプションを常に適用する方法を紹介します。これにより、日々の作業効率を向上させ、システムを自分好みにカスタマイズする方法を学びましょう。

export
コマンドの使い方
環境変数を自分で設定するには、export
コマンドを使用します。
【書式】export <シェル変数名>
シェル変数名
:環境変数として設定したいシェル変数の名前。
例:less
コマンドでの利用
less
コマンドには、LESS
という環境変数が用意されており、この変数に設定された値は自動的にオプションとして適用されます。例えば、less
コマンド終了時に画面を消去しない --no-init
オプションを常に適用したい場合があります。
通常の less
コマンドの動作
user01@ubuntu:~$ less /etc/crontab
crontab
ファイルの内容が表示されます。q
キーを押してless
を終了すると、画面が消去されてプロンプトに戻ります。
シェル変数 LESS
を設定して環境変数にする
1.シェル変数に値を設定
user01@ubuntu:~$ LESS='--no-init'
2.export
コマンドで環境変数として宣言
user01@ubuntu:~$ export LESS
- これで、
LESS
シェル変数が環境変数として設定されました。 - 以降、
less
コマンドを実行するたびに--no-init
オプションが自動的に適用されます。
動作確認
user01@ubuntu:~$ less /etc/crontab
# /etc/crontab: system-wide crontab
# Unlike any other crontab you don't have to run the 'crontab'
# command to install the new version when you edit this file
# and files in /etc/cron.d. These files also have username fields,
# that none of the other crontabs do.
...(以下省略)...
crontab
ファイルの内容が表示されます。q
キーを押してless
を終了すると、画面が消去されずにプロンプトに戻ります。
一行で値の設定と環境変数の宣言を行う
export
コマンドでは、値の設定と環境変数としての宣言を一行で行うことができます。
user01@ubuntu:~$ export LESS='--no-init'
- この形式は設定ファイル(例:
.bashrc
)でもよく使用されます。
まとめ
- 環境変数を設定するには、
export
コマンドを使用します。 - 書式:
export <シェル変数名>
- シェル変数に値を設定し、
export
することで環境変数として宣言できます。 - 例:
export LESS='--no-init'
- 環境変数は外部コマンドからも参照されるため、コマンドのデフォルト設定を変更する際に便利です。
less
コマンドの例では、LESS
環境変数を設定することで、毎回オプションを指定せずにデフォルトの動作をカスタマイズできます。
環境変数を適切に設定することで、システムの操作性が向上し、日々の作業が効率化されます。ぜひ、自分の作業スタイルに合わせて環境変数を活用してみてください。