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Linuxコマンドの基本:Linux:コマンドの使い方を調べる方法:--helpオプション

コマンドの使い方を調べる方法:--helpオプション

 Linuxには多くのコマンドがあり、それぞれに独自のオプションや機能があります。本サイトでは、代表的なコマンドについて解説してきましたが、すべてのコマンドを網羅するのは困難です。では、他のコマンドの使い方を知りたいときは、どうすればよいのでしょうか?現在ではGoogleなどの検索エンジンを使う方法もありますが、もっと手軽にLinuxシステム自体が提供している「--helpオプション」を利用することができます。

--helpオプション

 多くのLinuxコマンドでは、--help というオプションを使用できます。このオプションを指定すると、コマンド自身のヘルプメッセージが表示されます。以下は、cat コマンドで --help オプションを指定した例です。

catコマンドのヘルプを表示

user01@ubuntu:~$ cat --help
使用法: cat [オプション]... [ファイル]...
ファイル (複数可) の内容を結合して標準出力に出力します。

ファイルの指定がない場合や FILE が - の場合、標準入力から読み込みを行います。

  -A, --show-all           -vET と同じ
  -b, --number-nonblank    空行以外に行番号を付ける。-n より優先される
  -e                       -vE と同じ
  -E, --show-ends          行の最後に $ を付ける
  -n, --number             全ての行に行番号を付ける
  ...(以下省略)...

 表示されるヘルプメッセージはコマンドによって異なりますが、おおよそ以下の内容で構成されています。

  • 使用方法:オプションや引数の指定方法
  • コマンドの概要:コマンドが何をするかの説明
  • 利用可能なオプション一覧とその意味:各オプションの説明
  • その他の参考資料の紹介:詳しいドキュメントへのリンクなど

 このオプションはコマンド名さえ知っていれば手軽に使用方法を確認できるので、よく利用されます。初めて使うコマンドは、まず --help オプションを指定して概要を理解しておくと良いでしょう。

その他のヘルプオプションのあるコマンド

 --help オプション以外にも、コマンドによってはヘルプを表示するためのオプションが用意されています。以下に、主なコマンドとそのヘルプオプションをまとめます。

コマンドヘルプオプション説明
ls--helpファイルやディレクトリの一覧を表示
cp--helpファイルやディレクトリをコピーする
mv--helpファイルやディレクトリを移動または名称変更
rm--helpファイルやディレクトリを削除する
mkdir--helpディレクトリを作成する
rmdir--help空のディレクトリを削除する
grep--helpテキスト検索を行う
find--helpファイルやディレクトリを検索する
tar--helpアーカイブファイルの作成・展開を行う
chmod--helpファイルやディレクトリの権限を変更する
その他のヘルプオプションのあるコマンド

注意

 一部のコマンドでは、-h-?-help など、異なるヘルプオプションを使用する場合があります。コマンドによっては、man コマンドでマニュアルページを参照することもできます。

まとめ

  • --help オプションは、多くのLinuxコマンドで使用でき、コマンドの使い方やオプションを手軽に確認できます。
  • ヘルプメッセージの内容:使用方法、コマンドの概要、利用可能なオプション一覧などが含まれています。
  • 調べ方を知る重要性:すべてのコマンドやオプションを覚えるのは困難なので、調べる方法を知っておくことが重要です。
  • その他のヘルプオプション:コマンドによっては異なるオプションでヘルプを表示する場合もあるので注意しましょう。

 初めて使用するコマンドや、使い方を忘れてしまった場合には、--help オプションを活用して効率的に情報を得ることができます。Linuxシステムにはこのような自己完結型のドキュメントが多く含まれているため、ぜひ活用してみてください。