このページで解説している内容は、以下の YouTube 動画の解説で見ることができます。
Linuxコマンドの基本:環境変数を表示する:printenvコマンド

環境変数を表示するprintenv
コマンド
Linuxシステムでは、環境変数を利用してシステム全体の設定や挙動を制御しています。これらの環境変数は、ユーザーのセッションやシステムプロセスに影響を与える重要な情報を含んでいます。システム管理者やインフラエンジニアとして、現在設定されている環境変数を確認することは、トラブルシューティングやシステムの最適化において非常に重要です。
ここでは、シェルに設定されている環境変数を表示するためのprintenv
コマンドについて詳しく解説します。printenv
コマンドを使用することで、現在のシェル環境における環境変数の一覧を簡単に取得することができます。

printenv
コマンドの使い方
printenv
コマンドは、現在のシェル環境に設定されている環境変数を表示するためのコマンドです。以下のように、コマンドを実行するだけで環境変数の一覧が出力されます。
user01@ubuntu:~$ printenv
SHELL=/bin/bash
SESSION_MANAGER=local/ubuntu:@/tmp/.ICE-unix/3113,unix/ubuntu:/tmp/.ICE-unix/3113
QT_ACCESSIBILITY=1
COLORTERM=truecolor
XDG_CONFIG_DIRS=/etc/xdg/xdg-ubuntu:/etc/xdg
XDG_MENU_PREFIX=gnome-
GNOME_DESKTOP_SESSION_ID=this-is-deprecated
GNOME_SHELL_SESSION_MODE=ubuntu
SSH_AUTH_SOCK=/run/user/1000/keyring/ssh
...(以下省略)...
上記の出力から、LANG
などこれまでに紹介した環境変数以外にも、多くの環境変数が設定されていることがわかります。これらの環境変数は、システムの動作やユーザー環境に影響を与える重要な情報を保持しています。
環境変数の確認
printenv
コマンドを使用して、現在のシェル環境に設定されているすべての環境変数を確認することができます。特定の環境変数の値を確認したい場合は、printenv
コマンドの後に環境変数名を指定します。
例:PATH
環境変数の確認
user01@ubuntu:~$ printenv PATH
/usr/local/sbin:/usr/local/bin:/usr/sbin:/usr/bin:/sbin:/bin:/usr/games:
/usr/local/games:/snap/bin:/snap/bin
主な環境変数の一覧
以下に、一般的によく使用される環境変数とその説明をまとめます。
環境変数名 | 説明 |
---|---|
HOME | ユーザーのホームディレクトリのパス |
PATH | コマンドを検索するディレクトリのリスト |
LANG | システムのデフォルトのロケール設定 |
SHELL | ユーザーが使用しているシェルのパス |
USER | 現在のユーザー名 |
PWD | 現在の作業ディレクトリのパス |
OLDPWD | 前回の作業ディレクトリのパス |
TERM | 端末タイプの指定 |
実践的な活用方法
環境変数の内容を確認することで、以下のような場面で役立ちます。
- システムの設定確認:
LANG
やPATH
などの設定を確認し、必要に応じて適切な値に変更する。 - トラブルシューティング:環境変数の誤設定によるエラーや問題の原因を特定する。
- スクリプトの作成:シェルスクリプト内で環境変数を参照し、動的な動作を実現する。
まとめ
printenv
コマンドを使用することで、現在のシェル環境に設定されている環境変数を簡単に確認できます。システム管理や開発作業において、環境変数の内容を把握しておくことは非常に重要です。ぜひ皆さんの環境でもprintenv
コマンドを実行して、どのような環境変数が設定されているか確認してみてください。