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ターミナルマルチプレクサ:tmuxコマンド
ターミナルマルチプレクサ:tmuxコマンド
Linuxで作業をしていると、複数のシェルを同時に起動して操作したくなることがあります。例えば、あるターミナルでプログラムを実行しながら、別のターミナルでログを確認したり、設定ファイルを編集したりする場合です。このようなとき、単純に複数のターミナルエミュレータを起動することも可能ですが、ターミナルマルチプレクサを利用すると、より効率的に作業を進めることができます。
ターミナルマルチプレクサとは、1つの端末内に複数の仮想的な端末を作成して管理するためのアプリケーションです。その中でも、比較的新しく人気の高いtmuxを紹介します。tmuxを使うことで、ターミナルエミュレータの種類を問わず、キーボード操作だけで効率的に複数の作業を行うことができます。
tmuxのインストール
tmuxはtmux
というパッケージで提供されており、以下のコマンドでインストールできます。
Ubuntuの場合
user01@ubuntu:~$ sudo apt install tmux
tmuxの基本的な使い方
tmuxを起動すると、新しい仮想的な端末が1つ起動されます。そのまま通常通りシェルの操作が可能です。
user01@ubuntu:~$ tmux
ウィンドウの作成と切り替え
別のシェルを使用したい場合は、新しいウィンドウを作成します。tmuxでは、仮想的な端末のことを「ウィンドウ」と呼びます。
新しいウィンドウの作成
Ctrl + b → c
Ctrl
キーを押しながらb
を押し、キーを離した後にc
を押します。
ウィンドウの切り替え
作成したウィンドウは、以下のキーバインドで自由に切り替えることができます。
キーバインド | 説明 |
---|---|
Ctrl + b → n | 次のウィンドウへ移動する。 |
Ctrl + b → p | 前のウィンドウへ移動する。 |
Ctrl + b → <数字> | 指定した番号のウィンドウへ移動する。 |
Ctrl + b → l | 直前に表示していたウィンドウへ移動する。 |
一度ウィンドウを切り替えた後でも、元のウィンドウに戻ると切り替える前の状態がそのまま復元されます。これにより、複数の作業を並行して進めることができます。
ウィンドウの閉じ方
ウィンドウを閉じるには、以下の方法があります。
キーバインドを使用
Ctrl + b → x
シェルでexit
コマンドを実行
$ exit
すべてのウィンドウを閉じると、tmux自体も終了します。
簡単な使用例
以下に、tmuxコマンドの簡単な使用例を示します。
tmuxの起動
user01@ubuntu:~$ tmux
新しいウィンドウの作成
Ctrl + b → c
- 新しいウィンドウが作成され、自動的にそのウィンドウに切り替わります。
まとめ
tmuxを利用することで、1つのターミナル内で複数の仮想的な端末を効率的に管理できます。キーボード操作だけでウィンドウの作成や切り替えが可能で、複数の作業を並行して進めることができます。設定や使い方もそれほど難しくないので、ぜひ一度tmuxを試してみてください。