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Linuxコマンドの基本:vi エディタの操作:起動と終了

vi エディタの操作:起動と終了

 Linux環境でテキスト編集を行う際、最も基本的で重要なツールの一つがviエディタです。vi は、その独特な操作体系から初めての方にはとっつきにくい印象を受けるかもしれません。しかし、最小限のキー操作で効率的な編集が可能であり、多くのLinuxディストリビューションに標準でインストールされているため、実質的にLinuxの標準エディタと言えます。

 ここでは、vi エディタの基本操作である起動と終了について解説します。まずは正しく終了する方法を覚えることで、安心してviを使い始めることができます。

Vimとvi

viエディタには、Vimviという2つのバージョンがあります。

  • Vim(Vi IMproved):vi を改良したエディタで、現在多くのLinuxシステムで標準的に使われています。
  • vi:オリジナルのvi エディタで、Vimが登場する以前から存在しています。

 現在では、Vimがviとして提供されていることが多く、Linux関連のドキュメントでも「vi」という表記がVimを指している場合がほとんどです。そのため、「vi」が出てきたらVimのことだと考えて問題ありません。

viエディタ

 vi(ヴィーアイ)は、1976年に登場した古典的なテキストエディタであり、UNIXシステムの標準的なエディタとして長年使われてきました。ほとんどのLinuxディストリビューションにプリインストールされており、サーバ環境など最小限のシステムでも利用できます。

特徴

  • 軽量で高速:シンプルな機能で動作が軽快。
  • モード切り替え:コマンドモードと挿入モードを持ち、効率的なテキスト編集が可能。
  • 学習コスト:独特の操作方法のため、初めて使用する場合は慣れが必要。

Vimエディタ

 Vim(ヴィム、Vi IMprovedの略)は、vi を拡張したテキストエディタであり、1991年に開発されました。viの操作性を踏襲しつつ、多くの機能が追加されています。現在では、vi 互換のエディタとして最も一般的に使用されています。

特徴

  • 多機能:シンタックスハイライト、コード補完、プラグイン機能などが追加。
  • 高い互換性:vi の基本的な操作はそのまま使え、viユーザーも違和感なく移行可能。
  • カスタマイズ性:設定ファイルを編集することで、自分好みの環境を構築可能。

viとVimの比較

特徴viVim
開発時期1976年1991年
機能基本的なテキスト編集機能多機能(拡張機能が豊富)
シンタックスハイライトなしあり
プラグイン機能なしあり
カスタマイズ性限定的高い
学習コスト比較的高いやや高いがviよりは親しみやすい
viとVimの比較

viの起動と終了

viの起動

ターミナル上でvi エディタを起動するには、以下のコマンドを入力します。

user01@ubuntu:~$ vi

起動すると、次のような画面が表示されます。

~                                                                            
~                                                                            
~                                                                            
~                             VIM - Vi IMproved                              
~                                                                            
~                              version 9.1.697                               
~                         by Bram Moolenaar et al.                           
~                  Modified by team+vim@tracker.debian.org                   
~                Vim is open source and freely distributable                 
~                                                                            
~                       Become a registered Vim user!                        
~              type  :help register<Enter>   for information                 
~                                                                            
~              type  :q<Enter>               to exit                         
~              type  :help<Enter>  or  <F1>  for on-line help                
~              type  :help version9<Enter>   for version info                
~                                                                            
~                       Running in Vi compatible mode                        
~              type  :set nocp<Enter>        for Vim defaults                
~              type  :help cp-default<Enter> for info on this                
~                                                                            
~                                                                            
~ 

viの終了

重要: vi を初めて使用する際に、最初に覚えるべき操作は終了の方法です。vi は独特な操作体系を持つため、終了方法を知らないとシェルに戻れなくなる可能性があります。

viの終了手順

  1. コマンドモードで「:(コロン)」を入力します。vi の起動直後はコマンドモードになっています。
  2. コロンを入力すると、画面の最下行に「:」が表示されます。
  3. q」を入力します。
  4. Enterキーを押します。

コマンド

:q

viが終了し、ターミナルに戻ります。

注意点

  • コマンドモードで操作を行います。viはモード切替があるエディタで、通常はコマンドモードにいます。
  • すべてのコマンドはEnterキーで実行されます。

まとめ

  • viエディタは、Linuxのデフォルトテキストエディタであり、効率的な編集が可能。
  • Vimとviはほとんど同じものとして扱われ、Vimがviとして提供されていることが多い。
  • 起動方法viまたはvi ファイル名で起動。
  • 終了方法:コマンドモードで「:q」と入力し、Enterキーで終了。
    保存せずに終了:q! と入力。

ポイント

  • 最初に終了方法を覚えることで、安心してviの学習を進められます。
  • viは「なんとなく」で操作できるエディタではないため、基本操作を確実に習得しましょう。

 これで、vi エディタの起動と終了についての基本操作を学ぶことができました。次のステップでは、vi でのコマンドモードと挿入モードの切り替えについて学んでいきましょう。