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Linuxコマンドの基本:末尾部分を表示する:tailコマンド

末尾部分を表示する:tail
コマンド
Linuxでファイルを操作する際、ファイルの末尾部分を確認したい場面があります。例えば、ログファイルの最新の記録を確認したり、ファイルに新しく追加されたデータを監視したりする場合です。tail
コマンドは、そのようなニーズに応えるためのコマンドで、ファイルの末尾部分を表示します。

tail
コマンドの概要
tail
コマンドは、指定したファイルの末尾から指定した行数を表示するコマンドです。オプションを指定しない場合、デフォルトで末尾10行が表示されます。
主なオプションと説明
オプション | 説明 |
---|---|
-n 数 | 表示する行数を指定する(例:-n 5 で末尾5行を表示) |
-f | ファイルの末尾に追加された内容をリアルタイムで表示(監視モード) |
デフォルトの使用法
ファイルの末尾10行を表示します。
user01@ubuntu:~$ tail /etc/passwd
出力例
polkitd:x:988:988:User for polkitd:/:/usr/sbin/nologin
rtkit:x:117:119:RealtimeKit,,,:/proc:/usr/sbin/nologin
colord:x:118:120:colord colour management daemon,,,:/var/lib/colord:/usr/sbin/nologin
gnome-initial-setup:x:119:65534::/run/gnome-initial-setup/:/bin/false
gdm:x:120:121:Gnome Display Manager:/var/lib/gdm3:/bin/false
nm-openvpn:x:121:122:NetworkManager OpenVPN,,,:/var/lib/openvpn/chroot:/usr/sbin/nologin
gnome-remote-desktop:x:987:987:GNOME Remote Desktop:/var/lib/gnome-remote-desktop:/usr/sbin/nologin
user01:x:1000:1000:user01:/home/user01:/bin/bash
vboxadd:x:997:1::/var/run/vboxadd:/bin/false
user02:x:1001:1001::/home/user02:/bin/sh
行数を指定して表示する(-n
オプション)
特定の行数を表示したい場合、-n
オプションで行数を指定できます。
【書式】tail -n 数
例:末尾1行のみを表示
user01@ubuntu:~$ tail -n 1 /etc/passwd
出力例
user02:x:1001:1001::/home/user02:/bin/sh
ファイルの先頭部分を表示する:head
コマンド
ファイルの先頭部分を表示する場合は、head
コマンドを使用します。デフォルトでは先頭10行を表示し、-n
オプションで表示する行数を指定できます。
例:先頭10行を表示
user01@ubuntu:~$ head /etc/passwd
出力例
root:x:0:0:root:/root:/bin/bash
daemon:x:1:1:daemon:/usr/sbin:/usr/sbin/nologin
bin:x:2:2:bin:/bin:/usr/sbin/nologin
sys:x:3:3:sys:/dev:/usr/sbin/nologin
sync:x:4:65534:sync:/bin:/bin/sync
games:x:5:60:games:/usr/games:/usr/sbin/nologin
man:x:6:12:man:/var/cache/man:/usr/sbin/nologin
lp:x:7:7:lp:/var/spool/lpd:/usr/sbin/nologin
mail:x:8:8:mail:/var/mail:/usr/sbin/nologin
news:x:9:9:news:/var/spool/news:/usr/sbin/nologin
例:先頭1行のみを表示
user01@ubuntu:~$ head -n 1 /etc/passwd
出力例
root:x:0:0:root:/root:/bin/bash
ファイルへの追記を監視する(-f
オプション)
ログファイルなどで、ファイルがリアルタイムで更新される場合、その内容を継続的に監視したいことがあります。tail
コマンドの-f
オプションを使用すると、ファイルの末尾に追記される内容をリアルタイムで表示できます。
【書式】tail -f [ファイル名]
例:display.log
への追記を監視する
まず、display.log
というファイルを作成します。
user01@ubuntu:~$ touch display.log # display.logファイルを作成
次に、tail -f
コマンドでファイルを監視します。
user01@ubuntu:~$ tail -f display.log # ここでコマンドが待機状態になります
別のターミナルでの操作
この状態で、別のターミナルからdisplay.log
に文字列を追記します。
user01@ubuntu:~$ echo Linux >> display.log
すると、tail -f
を実行していたターミナル上に、追記された内容が表示されます。
tail -f
実行中のターミナル
Linux ← ファイルへの追記内容が表示された

ポイント
tail -f
コマンドは、ファイルの末尾に新しく追加されたデータをリアルタイムで表示します。- ログファイルの監視やデバッグ作業に非常に便利です。
tail -f
コマンドを終了するには、Ctrl + C
を押します。
不要になったファイルを削除する
監視が終わったら、作成したdisplay.log
ファイルを削除します。
user01@ubuntu:~$ rm display.log
まとめ
tail
コマンドは、ファイルの末尾部分を表示するためのコマンドで、デフォルトでは末尾10行を表示します。-n
オプションを使用して、表示する行数を指定できます。-f
オプションを使用すると、ファイルの末尾に追加される内容をリアルタイムで監視できます。- ファイルの先頭部分を表示するには、
head
コマンドを使用します。
tail
コマンドを活用することで、ログファイルの最新情報を確認したり、リアルタイムでファイルの更新内容を監視したりすることが可能です。Linuxシステムの運用やトラブルシューティングにおいて、ぜひ活用してみてください。