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Linuxコマンドの基本:Gitのインストールと初期設定


Gitのインストールと初期設定

 「Gitの紹介」でGitがなぜ便利かを学びましたが、ここからは実際にGitを利用するための環境構築を行います。まずはGitがシステム上にインストールされているか確認し、もし未インストールであればディストリビューションに応じた方法でインストールします。また、インストール後に必要となる初期設定(ユーザー名やメールアドレス、表示形式の設定)を行い、Gitを使い始める準備を整えましょう。

Gitのインストール状況確認

まずは、現在利用中のLinux環境にGitがインストールされているか確認してみます。

user01@ubuntu:~$ git --version
コマンド 'git' が見つかりません。次の方法でインストールできます:
sudo apt install git

 上記のように「コマンドが見つかりません」と表示される場合は未インストールです。次節でディストリビューション別のインストール方法を確認し、Gitを導入しましょう。

ディストリビューション別のGitインストール方法

各Linuxディストリビューションは独自のパッケージマネージャを持っています。ここでは代表的な例を示します。

ディストリビューションインストール手順例
CentOS/RHEL系suでroot権限を取得後、[root@CentOS1 ~]# yum install git-core
Ubuntu/Debian系一般ユーザーでuser01@ubuntu:~$ sudo apt-get install git-core
Fedorasudo dnf install git-core
openSUSEsudo zypper install git-core

上記のようなコマンドを実行すれば、Gitがパッケージとしてインストールされ、即座に利用可能となります。

Gitをインストール(Ubuntu)

user01@ubuntu:~$ sudo apt-get install git-core
[sudo] user01 のパスワード: 
パッケージリストを読み込んでいます... 完了
(省略)
続行しますか? [Y/n] 

Gitの初期設定

 Gitを導入したら、まずはGitに「誰が作業しているのか」を伝えるためにユーザー名とメールアドレスを設定します。これらは、後にファイル変更履歴(コミット)を確認する際に「誰がいつ変更したのか」を明確にするために用いられます。

ユーザー名・メールアドレスの設定

user01@ubuntu:~$ git config --global user.name "user01"
user01@ubuntu:~$ git config --global user.email "user01@example.com"

次に、Gitコマンドの出力を見やすくするため、表示をカラー化する設定を行います。

user01@ubuntu:~$ git config --global color.ui auto

 上記設定を行うと、コミットログや差分表示などをカラーで確認できるため、変更箇所が一目でわかりやすくなります。

設定内容の確認

 これらの設定はユーザごとの設定ファイル~/.gitconfigに保存されます。以下のコマンドで設定内容を確認できます。

user01@ubuntu:~$ cat ~/.gitconfig
[user]
    name = user01
    email = user01@example.com
[color]
    ui = auto

ここに設定情報が正しく反映されていれば問題ありません。

まとめ

  • Gitインストールの確認git --versionでインストール状況をチェック
  • ディストリビューション別インストールコマンドyumapt-getなどを用いてgit-coreパッケージを導入
  • 初期設定git config --global user.nameおよびgit config --global user.emailでユーザー情報を登録
  • 表示の改善git config --global color.ui autoでコマンド出力をカラー化し、視認性を向上

 これらの手順を終えることで、Gitを扱うための基本環境が整います。次の段階では、実際にGitリポジトリを作成し、ファイルをバージョン管理する方法を学んでいきましょう。