Linuxコマンドの基本：パッケージ管理（CentOS）：パッケージの探し方

　ここでは、パッケージ管理を行う際に必須となる「パッケージの検索」手法を紹介します。yumコマンドのsearch機能を活用すれば、パッケージ名や概要、さらには説明文から目当てのソフトウェアを見つけることができます。

なぜパッケージの検索が必要なのか

　パッケージをインストールする際には、対象となるソフトウェアがどのパッケージ名で提供されているかを正確に把握する必要があります。しかし、ソフトウェア名とパッケージ名が一致しない場合も多く、コマンド名だけでは目当てのパッケージを見つけるのは困難です。

　このようなときにyumコマンドの検索機能を使うことで、キーワードからパッケージを特定できます。リポジトリに存在するすべてのパッケージ情報を検索対象とし、キーワードに合致するパッケージを簡単に探し出すことが可能です。

基本的なパッケージ検索コマンド

yumコマンドには、パッケージを検索するためのsearchコマンドが用意されています。searchコマンドを使うことで、指定したキーワードをパッケージ名や要約（Summary）から検索します。

【書式】
yum search <検索ワード>

代表的な検索コマンド例

コマンド役割・詳細使用例
yum search <キーワード>パッケージ名・要約を対象にキーワードを検索$ yum search netcat
yum search all <キーワード>パッケージ名・要約・説明文を含め全文検索$ yum search all netcat

権限と検索対象の違い

　installコマンドやremoveコマンドなど、実際にパッケージを操作するコマンドはroot権限が必要な場合がほとんどです。しかし、searchコマンドは検索のみを行うため、一般ユーザの権限でも実行可能です。これにより、管理者でなくてもパッケージ情報の下調べを行うことができます。

要約検索と全文検索

　yum searchコマンドはデフォルトでパッケージ名と要約を検索対象としますが、yum search allコマンドを使えば、説明文（Description）まで含めた全文検索が可能です。

要約のみの検索例

要約とパッケージ名に「netcat」が含まれていれば結果が表示されます。

[root@CentOS1 ~]# yum search netcat
読み込んだプラグイン:fastestmirror, langpacks
Loading mirror speeds from cached hostfile
============================= N/S matched: netcat ==============================
nmap-ncat.x86_64 : Nmap's Netcat replacement
socat.x86_64 : Bidirectional data relay between two data channels ('netcat++')

  Name and summary matches only, use "search all" for everything.

　nmap-ncatとsocatという2つのパッケージが見つかります。なお、searchコマンドではパッケージ名とその要約（Summary）のみが検索対象となります。パッケージの説明文（Description）まで検索対象としたい場合は、search allコマンドを使います。

全文検索例（search all）

[root@CentOS1 ~]# yum search all netcat
読み込んだプラグイン:fastestmirror, langpacks
Loading mirror speeds from cached hostfile
================================= 一致: netcat =================================
nmap.x86_64 : Network exploration tool and security scanner
nmap-ncat.x86_64 : Nmap's Netcat replacement
socat.x86_64 : Bidirectional data relay between two data channels ('netcat++')

　パッケージの説明文に「netcat」というキーワードが含まれているパッケージもヒットします。これにより、キーワードがパッケージ名や要約に含まれていない場合でも、説明文から見つけ出すことが可能になります。

大文字・小文字の区別

　yum searchおよびyum search allコマンドは、大文字と小文字を区別しません。キーワードを小文字で入れようが大文字で入れようが、同一視して検索を行います。そのため、-iオプションのようなケースインセンシティブ指定は不要です。

まとめ

  • パッケージを探すにはyum searchコマンドが有効
    パッケージ名や要約を元に候補を表示し、目的のパッケージを発見できる。
  • yum search allで全文検索
    パッケージの説明文まで検索対象が拡大し、より広範なキーワードからパッケージを見つけられる。
  • 一般ユーザ権限でも検索可能
    インストール前にパッケージ名を下調べしたい場合に便利。

　このように、yum searchとyum search allコマンドを使いこなせば、CentOSのリポジトリから必要なソフトウェアを容易に特定し、インストール作業をスムーズに進めることができます。