
Linuxコマンドの基本:パッケージ管理(CentOS):パッケージの情報表示
ここでは、yum
コマンドを用いてパッケージの詳細情報を確認する方法を紹介します。パッケージ名だけでは内容や機能がはっきりしない場合、yum info
コマンドを使えば、バージョン、リリース、URL、説明文など、より豊富な情報が得られます。

なぜパッケージ情報の表示が必要なのか
CentOSなどのLinuxディストリビューションでは、同じコマンド名に対応するパッケージが複数存在したり、パッケージ名から目的のソフトウェア機能が分かりづらいことがあります。そのため、パッケージ名が特定できても、実際にどのようなソフトウェアが含まれているのか、どのバージョンなのかを知る必要が生じます。
ここで活躍するのがyum info
コマンドです。yum info
を使えば、パッケージの詳細なメタ情報(バージョン、リリース、依存関係、URL、簡易説明など)を取得でき、パッケージをインストールする前の下調べとして非常に役立ちます。
パッケージ情報表示コマンドの基本
yum info
コマンドは、yum search
コマンドと同様に、パッケージの詳細情報を取得するためのコマンドです。パッケージがインストール済みである必要はなく、リポジトリからメタ情報を取得するため、一般ユーザ権限で実行できます。
【書式】yum info <パッケージ名>
代表的なコマンド例
コマンド | 役割・詳細 | 使用例 |
---|---|---|
yum info <パッケージ名> | 指定パッケージの詳細情報を表示。バージョンやリポジトリ、説明文などが分かる | $ yum info httpd |
パッケージ情報の確認内容
yum info
コマンドによる出力には、以下のような情報が含まれます。
- 名前(Name):パッケージ名
- アーキテクチャー(Architecture):x86_64など、パッケージが対応するCPUアーキテクチャ
- バージョン(Version):パッケージのバージョン番号
- リリース(Release):同一バージョンでも細かな更新を示すリリース番号
- リポジトリー(Repository):そのパッケージを提供しているリポジトリ名
- 要約(Summary):パッケージの一行要約
- URL:関連する公式サイトなどのURL
- 説明(Description):パッケージやソフトウェアの概要を示す詳細なテキスト
これらの情報によって、目的のソフトウェアであるか、互換性のあるバージョンなのかなどを簡単に判断できます。
使用例:httpd
パッケージの情報表示
以下は、httpd
パッケージ(Apache HTTPサーバ)の詳細情報表示例です。
# yum info httpd
読み込んだプラグイン:fastestmirror, langpacks
...(省略)...
名前 : httpd
アーキテクチャー : x86_64
バージョン : 2.4.6
リリース : 99.el7.centos.1
リポジトリー : updates/7/x86_64
要約 : Apache HTTP Server
URL : http://httpd.apache.org/
ライセンス : ASL 2.0
説明 : The Apache HTTP Server is a powerful, efficient, and
: extensible web server.
ここから、httpd
は2.4.6バージョンで、updates
リポジトリから入手可能であり、Apache HTTPサーバであることが分かります。
インストール前の確認にも有用
yum info
コマンドは、パッケージがまだインストールされていない状態でも利用可能です。そのため、インストールする前にソフトウェア内容を把握し、適切なパッケージを選定する際に非常に役立ちます。サーバ構築時や新規ツール導入時に、無闇にパッケージをインストールすることなく、事前情報を元に確信を持って導入を進められます。
まとめ
yum info
コマンドを使えば、パッケージのバージョン、リリース、リポジトリ、要約、URL、詳細説明などの豊富な情報を確認可能。root
権限不要のため、一般ユーザとしてパッケージ情報の下調べができる。- インストール前に適切なパッケージかどうかを判断し、システムへの導入を計画的に進められる。
これらの手順と方法を習得すれば、CentOS環境で適切なパッケージを迷わず導入し、効率的な運用を実現する一助となるでしょう。