【Docker入門】Dockerイメージのレイヤー構造
Dockerイメージのレイヤー構造は、Dockerの基盤となる重要な概念の1つです。これにより、Dockerは軽量かつ効率的なコンテナ化を実現しています。以下にDockerイメージのレイヤー構造について詳しく解説します。
Dockerイメージは、複数のレイヤーから構成されています。各レイヤーは、イメージが特定の状態や構成を持つためのファイルシステムのスナップショットです。これらのレイヤーは、変更された部分のみが新しいレイヤーとして追加されるため、効率的なイメージの共有と管理が可能です。
具体的には、Dockerイメージのレイヤー構造は以下のようになっています。
ベースイメージ(Base Image)
ベースイメージは、Dockerイメージの最下層に位置し、ほとんどの場合、OSのルートファイルシステムを表します。このベースイメージは読み取り専用であり、基本的なファイルやディレクトリ構造が含まれています。例えば、Alpine LinuxやUbuntuなどのLinuxディストリビューションがベースイメージとして利用されます。
レイヤー(Layers)
Dockerイメージの残りの部分は、ベースイメージの上に追加される1つ以上のレイヤーで構成されています。各レイヤーは、Dockerfile内の各命令に対応し、それぞれの変更や追加を表します。例えば、パッケージのインストール、ファイルの追加、コマンドの実行などが含まれます。
コンテナ(Container)
Dockerコンテナは、イメージを実行可能な形式にしたものです。コンテナは、イメージのレイヤー構造を読み取り専用のファイルシステムとして持ち、その上に書き込み可能なレイヤーを追加してコンテナの状態を保持します。これにより、コンテナ内での変更や追加が可能になります。
まとめ
Dockerイメージのレイヤー構造により、イメージの共有や再利用が容易になります。たとえば、複数のイメージが同じベースイメージを共有する場合、ベースイメージのレイヤーは1度だけダウンロードされ、各イメージはそれを利用することができます。また、Dockerのキャッシュ機構により、同じ命令を含むDockerfileのビルドでは、キャッシュされたレイヤーが再利用されるため、ビルド時間が短縮されます。