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【Docker入門】Dockerで簡単にUbuntuコンテナにGUIで接続する方法
ここでは、Dockerで簡単にUbuntuコンテナにGUIで接続する方法を紹介します。
docker-ubuntu-vnc-desktop イメージを使用すると簡単にGUIでUbuntuコンテナに接続できるようになります。
docker-ubuntu-vnc-desktop イメージとは
docker-ubuntu-vnc-desktop は、Ubuntu LXDE/LxQT デスクトップ環境にアクセスするための Web VNC インターフェイスを提供する Docker イメージです。Docker Hub に登録されています。
URL:https://hub.docker.com/r/dorowu/ubuntu-desktop-lxde-vnc
「dorowu/ubuntu-desktop-lxde-vnc」イメージは、Docker Hubで公開されているUbuntuベースのDockerイメージの1つです。このイメージは、軽量なデスクトップ環境であるLXDE(Lightweight X11 Desktop Environment)とVNC(Virtual Network Computing)サーバーがインストールされており、リモートデスクトップアクセスを可能にします。
以下は、このイメージが提供する主な機能や特徴です。
Ubuntuベース
イメージはUbuntu Linuxディストリビューションをベースにしています。Ubuntuは広く使用されているLinuxディストリビューションであり、多くのユーザーが馴染みのある環境です。
LXDEデスクトップ環境
LXDEは、リソース消費が少なく高速なLinuxデスクトップ環境の1つです。軽量なデスクトップ環境を提供し、古いハードウェアやリソースが限られているシステムでも快適に動作します。
VNCサーバー
VNCは、リモートデスクトップ接続を実現するためのプロトコルです。VNCサーバーがインストールされており、このイメージを起動すると、リモートからのデスクトップアクセスを可能にします。これにより、コンテナ内で実行されているデスクトップ環境をリモートから操作できます。
カスタマイズ可能
イメージはカスタマイズ可能であり、ユーザーが独自のアプリケーションや設定を追加できます。また、Dockerfileを使用してイメージを拡張することもできます。
「dorowu/ubuntu-desktop-lxde-vnc」イメージを使用することで、Ubuntuベースの軽量なデスクトップ環境を簡単に構築し、リモートからアクセスすることができます。
不要なDockerオブジェクトの削除
まず、不要なDockerオブジェクトをすべて削除しておきます。
以下のコマンドを実行します。
・「docker system prune -a」コマンドを実行します。
Are you sure you want to continue? [y/N] の質問には「y」と入力します。
PS C:\Users\joeac> docker system prune -a
WARNING! This will remove:
- all stopped containers
- all networks not used by at least one container
- all images without at least one container associated to them
- all build cache
Are you sure you want to continue? [y/N] y
Deleted Containers:
(略)
・「docker system prune -a」コマンドで削除されなかったDockerオブジェクトは、個別に削除しておきます。
環境によって削除されずに残っているDockerオブジェクトは異なります。
compose.yaml の作成
compose.yamlファイルを作成するためのディレクトリを作成します。
ディレクトリの移動と作成
まず、作業ディレクトリに移動しておきます。
・「cd desktop/docker」コマンドを実行します。
PS C:\Users\joeac> cd desktop/docker
PS C:\Users\joeac\Desktop\docker>
「compose.yaml」ファイルを保存する「gui-ubuntu1」ディレクトリを作成して、作成したディレクトリに移動します。次のコマンドを実行します。
- 「mkdir gui-ubuntu1」コマンド
- 「cd gui-ubuntu1」コマンド
PS C:\Users\joeac\Desktop\docker> mkdir gui-ubuntu1
Directory: C:\Users\joeac\Desktop\docker
Mode LastWriteTime Length Name
---- ------------- ------ ----
d---- 2024/05/03 22:09 gui-ubuntu1
PS C:\Users\joeac\Desktop\docker> cd gui-ubuntu1
PS C:\Users\joeac\Desktop\docker\gui-ubuntu1>
VSCodeの起動
VSCodeで「compose.yaml」ファイルを作成します。
・「code compose.yaml」コマンドを実行します。
PS C:\Users\joeac\Desktop\docker\gui-ubuntu1> code compose.yaml
VSCodeが起動します。
「compose.yaml」ファイルの編集
・「compose.yaml」ファイルを以下のように編集して保存します。
services:
ubuntu-gui1:
image: dorowu/ubuntu-desktop-lxde-vnc
container_name: ubuntu-gui1
tty: true
ports:
- 8080:80
定義内容の解説
「compose.yaml」の定義を解説します。
キー | 値 | 説明 |
---|---|---|
services | コンテナの定義を含むセクション。 | |
ubuntu-gui1 | サービスの名前。 | |
image | dorowu/ubuntu-desktop-lxde-vnc | コンテナを起動するために使用するDockerイメージ。 |
container_name | ubuntu-gui1 | コンテナの名前を指定。 |
tty | true | コンテナのプロセスにTTYを割り当てるかどうかを指定。TTYが割り当てられると、コンテナの標準入出力が相互に接続される。 |
ports | - 8080:80 | ホストOSのポート8080をコンテナのポート80にマッピングする。この設定により、ホストOSの8080ポートにアクセスすると、コンテナの80ポートにアクセスする。 |
コンテナの作成と実行
・「docker compose up -d」コマンドを実行します。
このコマンドは、「compose.yaml」ファイルを配置した場所で実行する必要があります。
PS C:\Users\joeac\Desktop\docker\gui-ubuntu1> docker compose up -d
[+] Running 17/17
✔ ubuntu-gui1 Pulled 19.9s
✔ a70d879fa598 Pull complete 1.6s
✔ c4394a92d1f8 Pull complete 0.7s
✔ 10e6159c56c0 Pull complete 0.7s
✔ 6d516dea5dcb Pull complete 1.6s
✔ 2c326a79b2c1 Pull complete 6.8s
✔ 77c398b95e39 Pull complete 6.4s
✔ 1a5adfd9ff08 Pull complete 7.2s
✔ d8327acdb588 Pull complete 7.4s
✔ b4d11d536f7c Pull complete 7.5s
✔ 0403b18ddc74 Pull complete 7.9s
✔ c163d8624a71 Pull complete 9.2s
✔ 1dc3570b5fa6 Pull complete 8.1s
✔ 6f9c71cf3486 Pull complete 9.3s
✔ e02f721e36c7 Pull complete 9.0s
✔ ba596a49f65e Pull complete 9.7s
✔ 31c6cc0bdd8d Pull complete 9.9s
[+] Running 2/2
✔ Network gui-ubuntu1_default Created 0.0s
✔ Container ubuntu-gui1 Star... 0.9s
PS C:\Users\joeac\Desktop\docker\gui-ubuntu1>
UbuntuへのGUI接続
・WebブラウザのURLに「localhost:8080/」と入力します。
UbuntuをGUIで操作できるようになります。
ターミナルへの起動
LXTerminalを起動します。
Ubuntuのバージョンの確認
Ubuntuのバージョンを確認します。
・「cat /etc/os-release」のコマンド実行します。
ベースイメージが、Ubuntu20.04 LTSであることが確認できます。
少々古いバージョンですが、学習環境としては手軽に利用できて便利かと思います。