【Linux入門】vi と Emacs
Vi(および Vim)
Vi の歴史
- 1976年
Viは、ビル・ジョイ(Bill Joy)によって初めてBSD UNIX向けに開発されました。元々は"Visual"の略で、ビジュアルモードを強調したテキストエディタでした。 - 1991年
Vim(Vi Improved)が登場。Bram Moolenaarにより開発され、様々な新機能や改良が加えられました。VimはViの拡張版であり、今日でも非常に広く使われています。
Vi の特徴
- モード切り替え
・挿入モード、コマンドモード、ビジュアルモードなど、複数のモードがあります。 - 軽量かつ高速
・シンプルなデザインでありながら、高速かつ効率的な操作が可能です。 - 強力な検索・置換
・正規表現や範囲指定を利用した高度な検索・置換ができます。 - カスタマイズ可能
・.vimrcファイルを編集することで、環境を自分の好みにカスタマイズできます。
Vim
- Vim(Vi Improved)
・VimはViの強化版で、様々な機能が追加されました。
・プラグインシステム、スクリプト言語(Vim script)のサポート、折りたたみ機能などが挙げられます。
・様々なオペレーティングシステムで動作し、ユーザーに高度なカスタマイズオプションを提供しています。
Emacs
- 1976年
・Richard Stallmanによって開発されました。Emacsは「Editing MACroS」の略で、初期からマクロ機能を持っており、編集作業の自動化が得意です。 - 拡張性
・EmacsはLispプログラミング言語で書かれており、ほぼ全ての機能がLispで実装されています。これにより、ユーザーが新しい機能を簡単に追加できます。 - モードレスな操作
・Emacsはモードレスな操作が可能で、常に挿入モードのような感覚で編集できます。 - 豊富な機能
・文字列の検索や置換、ファイル操作、統合されたシェル、電子メールクライアント、統合開発環境など、幅広い機能が提供されています。 - 拡張機能
・Emacsは数多くのモード(メジャーモードやマイナーモード)をサポートし、特定のタスクに最適な機能を提供します。 - 高度なキーバインド
・Emacsは多くの操作をキーバインドで提供し、これによって効率的に編集作業ができます。
Linuxの2大エディタであるviとEmacs
- Linuxコミュニティでの地位
・vi
とEmacs
は、LinuxおよびUNIX系システムにおいて広く利用されている二大テキストエディタです。
・vi
はシンプルかつ効率的な操作が特徴で、コマンドラインでの編集作業に向いています。
・Emacs
は豊富な機能と拡張性があり、統合開発環境としても使用されます。 - 使用者の好みと作業スタイル
・選択肢の優劣ではなく、使用者の好みや作業スタイルによります。
・vi
はモード切り替えとコマンド指向のスタイルを好むユーザーに適しています。
・Emacs
は拡張性と豊富な機能を求めるユーザーに向いています。 - Linuxディストリビューションの標準エディタ
・一般的に、ほとんどのLinuxディストリビューションはvi
を標準のエディタとして搭載しています。
・ただし、Emacs
も多くのディストリビューションで提供されており、使用者は自身の選好に合ったものを利用できます。
vi
とEmacs
は両者ともに優れたエディタであり、選択はユーザー個々の好みや必要によります。どちらを使用するかは個人の好みや習熟度、作業の特性によるため、どちらも広く愛用されています。
選択のポイント
- 作業の性質
・コマンドラインでのシンプルな編集作業や、システムの設定ファイルの編集にはvi
が向いています。
・プログラミングや文書編集、複雑なタスクにはEmacs
が適しています。 - ユーザーの好み
・vi
とEmacs
はどちらも優れたエディタであり、最終的な選択はユーザーの好みや慣れによります。
・どちらも充実したオンラインコミュニティやドキュメントがあり、効果的な使用方法を学ぶことができます。 - フルタイムの使用
・どちらもコアなLinuxユーザーにとっては非常に有用です。ユーザーは好みに合わせて使い続けることができます。
まとめ
vi
とEmacs
は、LinuxやUNIX系システムにおける主要なテキストエディタとして、それぞれ独自の哲学と特徴を持っています。vi
はシンプルで効率的なコマンドラインエディタとして、Emacs
は高度な拡張性と機能を持つモードレスエディタとして知られています。- どちらを選ぶかは個人の好みや作業の性質によります。一部のユーザーはどちらもマスターし、タスクや好みによって使い分けています。