【Linux入門】mountコマンドと/etc/fstabファイル
概要
'/etc/fstab
'ファイルは、Linuxシステムでマウントされるファイルシステムの設定情報を格納するための設定ファイルです。システム起動時や 'mount -a
' コマンド実行時に参照され、自動的にファイルシステムをマウントするために使用されます。
形式
'/etc/fstab
' ファイルの各行は、以下のような形式を持ちます。
<デバイス> <マウントポイント> <ファイルシステムタイプ> <マウントオプション> <dump> <fsck>
以下に、'/etc/fstab
' ファイルの解説を表でまとめます。
フィールド | 項目 | 説明 |
---|---|---|
第1フィールド | デバイス名またはUUID | マウントするデバイス名またはUUID。 |
第2フィールド | マウントポイント | ファイルシステムをマウントするマウントポイント。 |
第3フィールド | ファイルシステムタイプ | マウントされるファイルシステムのタイプ(ext4、xfs、ntfsなど)。 |
第4フィールド | マウントオプション | マウント時のオプション(rw:読み書き可能、ro:読み取り専用など)。 |
第5フィールド | バックアップ対象 | バックアップツールがマウントポイントのバックアップをスキップするかどうかの指定。 |
第6フィールド | fsck実行対象 | OS起動時に、fsck(ファイルシステムのチェック)がチェックをスキップするかどうかの指定。 1: チェックの優先度高(ルートファイルシステムは必ず 1 を指定する) 2: チェックの優先度低 0: チェックしない。 |
/etc/fstab
' ファイルの形式 この表に基づいて、'/etc/fstab
' ファイルの各行が記述されています。正しい設定を行うことで、システムの起動時や実行中に必要なファイルシステムを自動的にマウントし、システムの安定性と効率性を確保することができます。
主な目的
- システム起動時に自動的にファイルシステムをマウントする。
- '
mount -a
' コマンド実行時に一括で全てのファイルシステムをマウントする。
使用例
例えば、'/etc/fstab
' ファイルの内容は以下のようになります。
'/etc/fstab
' ではスペースがフィールドの区切り文字として使用されているため、フィールドにスペースが含まれている場合、スペースをエスケープする必要があります。
UUID=12345678-1234-1234-1234-123456789abc / ext4 defaults 0 1
/dev/sda1 /boot ext4 defaults 0 2
/dev/sdb1 /mnt/data xfs defaults 0 0
- 1行目の解説
デバイス(UUID=12345678-1234-1234-1234-123456789abc)を '/
' マウントポイントにext4ファイルシステムとしてマウントし、デフォルトのマウントオプションで、バックアップの対象(dump)であり、システムのファイルシステムチェック(fsck)を実行する。 - 2行目の解説
'/dev/sda1
' デバイスを '/boot
' マウントポイントにext4ファイルシステムとしてマウントし、デフォルトのマウントオプションで、バックアップの対象であり、システムのファイルシステムチェックを実行する。 - 3行目の解説
/dev/sdb1
デバイスを/mnt/data
マウントポイントにxfsファイルシステムとしてマウントし、デフォルトのマウントオプションで、バックアップの対象でなく、システムのファイルシステムチェックを実行しない。
注意点
- '
/etc/fstab
' ファイルを編集する際は慎重に行い、正しいパスやUUIDを指定する必要があります。 - 不正確な設定はシステムの起動や動作に影響を与える可能性がありますので、注意が必要です。
まとめ
'/etc/fstab
'ファイルを適切に構成することで、システムの起動時や実行中に必要なファイルシステムを自動的にマウントし、システムの安定性と効率性を確保することができます。