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アクセス権

アクセス権(パーミッション)とは

 アクセス権(パーミッション)とは、ファイルやディレクトリに対するユーザーやグループのアクセス制御を指します。Linuxシステムでは、ファイルやディレクトリに対して誰が何をできるかを指定するために、読み取り(read)、書き込み(write)、実行(execute)の3つの基本的な権限が使用されます。これらの権限は、所有者(user)、グループ(group)、その他のユーザー(others)の3つのカテゴリーに分けられます。

パーミッションの種類

  1. 所有者(u, user): ファイルやディレクトリの所有者に適用される権限。
  2. グループ(g, group): 所有者が所属するグループに適用される権限。
  3. その他のユーザー(o, others): 所有者やグループに属さないすべてのユーザーに適用される権限。

読み取り権、書き込み権、実行権について

読み取り権(r, read)

  • ファイルの場合: ファイルの内容を読み取ることができます。ファイルを開いて内容を閲覧できる権限です。
  • ディレクトリの場合: ディレクトリの中のファイルやサブディレクトリのリストを表示できます。lsコマンドを使用して、ディレクトリの内容を見ることができます。

書き込み権(w, write)

  • ファイルの場合: ファイルの内容を変更することができます。ファイルを編集して保存することができる権限です。
  • ディレクトリの場合: ディレクトリ内にファイルやサブディレクトリを作成、削除、名前の変更ができます。書き込み権限があると、ディレクトリ内のファイルやサブディレクトリを操作することができます。

実行権(x, execute)

  • ファイルの場合: ファイルをプログラムとして実行することができます。スクリプトやバイナリファイルを実行するための権限です。
  • ディレクトリの場合: ディレクトリに移動することができます。cdコマンドを使用してディレクトリにアクセスするための権限です。また、ディレクトリ内のファイルやディレクトリに対する操作も行えます(たとえば、ファイルを開くなど)。

パーミッションの表記方法

パーミッションは、以下のように数値や文字で表記されます。

数値表記(chmod コマンドでよく使用される)

各権限は3桁の8進数で表されます。

アクセス権の種類
各権限8進数値
読み取り (r)
書き込み (w)
実行 (x)
アクセス権の種類

組み合わせると、たとえば

読み取り・書き込み (rw) = 4 + 2 = 6

例: chmod 755 filename
  • 所有者: 7 (読み取り、書き込み、実行)
  • グループ: 5 (読み取り、実行)
  • その他のユーザー: 5 (読み取り、実行)

文字表記(ls -l コマンドで表示される)

r,w,xの組み合わせで表されます。

「ls -l」で表示されるファイルタイプ

 「ls -l」コマンドを実行すると、ファイルの詳細情報が表示されます。表示の先頭には、ファイルタイプとパーミッションが表示されます。ファイルタイプは以下の通りです。

記号ファイルタイプ
通常ファイル
dディレクトリ
lシンボリックリンク
「ls -l」で表示されるファイルタイプ
例: -rwxr-xr--の意味

-rwxr-xr--」という表記の各部分の意味を解説します。

・先頭の記号

- 」 : 通常ファイルを表します。

・パーミッションの詳細

この部分は、所有者、グループ、およびその他のユーザーに対するアクセス権を示しています。

全体の形式は「rwxr-xr--」 のように、3つずつのグループに分けられます。

部分説明意味
rwx所有者読み取り (r)、書き込み (w)、実行 (x) の権限を持つ
r-xグループ読み取り (r)、実行 (x) の権限を持つ
r--その他のユーザー読み取り (r) の権限を持つ
・具体的な意味
  • 所有者: rwx (読み取り、書き込み、実行)
  • グループ: r-x (読み取り、実行)
  • その他のユーザー: r-- (読み取り)

まとめ

 Linuxシステムのアクセス権(パーミッション)は、ファイルやディレクトリに対するユーザーの操作を制御するための重要な仕組みです。読み取り権、書き込み権、実行権の3つの基本的な権限を理解し、適切に設定することで、システムのセキュリティと操作性を向上させることができます。