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【Linux】画面への出力:echoコマンド

echoコマンドの概要

 「echo」コマンドは、指定された文字列を標準出力(通常は画面)に表示するために使用される基本的なコマンドです。シェルスクリプトやコマンドライン操作でメッセージを表示するために頻繁に使用されます。非常にシンプルで直感的なコマンドであり、文字列の出力に加え、変数の内容を表示するのにも役立ちます。

主なオプションと説明

オプション説明
-n改行を付けずに出力します。
-eバックスラッシュによるエスケープシーケンスを有効にします。
-Eバックスラッシュによるエスケープシーケンスを無効にします(デフォルト)。
主なオプションと説明

コマンドの使用例と解説

以下に echo コマンドの使用例とその解説を示します。

1.基本的な使用例

・「echo "Hello, World!"」コマンドを実行します。

文字列 "Hello, World!" を画面に表示します。

user01@ubuntu-vm:~$ echo "Hello, World!"
Hello, World!

2.改行なしで出力

・「echo -n "Hello, World!"」コマンドを実行します。

 改行をせずに文字列 "Hello, World!" を表示します。この場合、次のコマンドの出力が同じ行に続けて表示されます。

user01@ubuntu-vm:~$ echo -n "Hello, World!"
Hello, World!user01@ubuntu-vm:~$

3.エスケープシーケンスの使用

・「echo -e "Hello,\nWorld!"」コマンドを実行します。

 「-e」オプションを使ってエスケープシーケンスを有効にし、\n(改行)を使って "Hello," と "World!" を別々の行に表示します。

user01@ubuntu-vm:~$ echo -e "Hello,\nWorld!"
Hello,
World!

4.変数の内容を表示

  • name="Alice"」コマンドを実行します。
  • echo "Hello, $name!"」コマンドを実行します。

 変数 name に "Alice" を代入し、echo コマンドで "Hello, Alice!" と表示します。変数の内容を出力する際によく使われます。

user01@ubuntu-vm:~$ name="Alice"
user01@ubuntu-vm:~$ echo "Hello, $name!"
Hello, Alice!

5.特殊文字のエスケープ

・「echo -e "Tab\tseparated\tvalues"」コマンドを実行します。

\t を使ってタブ文字を挿入し、"Tab"、"separated"、"values" をタブ区切りで表示します。

user01@ubuntu-vm:~$ echo -e "Tab\tseparated\tvalues"
Tab	separated	values

6.エスケープシーケンスを無効にする

・「echo -E "No\tescape\tsequences"」コマンドを実行します。

 「-E」 オプションを使用してエスケープシーケンスを無効にし、そのまま文字列 "No\tescape\tsequences" を表示します。これはデフォルトの動作です。

user01@ubuntu-vm:~$ echo -E "No\tescape\tsequences"
No\tescape\tsequences

まとめ

 これらの例を通じて、「echo」コマンドの基本的な使用方法とオプションの使い方を理解できたと思います。「echo」コマンドは、シェルスクリプトのデバッグやユーザーへのメッセージ表示など、さまざまな場面で非常に役立ちます。