テキストを処理するコマンド
Linuxでは、テキストファイルを操作・加工するための豊富なコマンド群が提供されています。これらのコマンドを利用することで、ファイルの内容を検索したり、特定のパターンを抽出したり、ファイル同士を比較したり、フォーマットを変更したりすることが容易になります。
テキストファイルの内容を表示する際に使われるコマンド
コマンド | 説明 |
---|---|
cat | ファイルの内容を連結して標準出力に表示します。複数のファイルを一度に表示することもできます。 |
nl | ファイルの内容を表示し、各行に行番号を付けて出力します。 |
less | ファイルの内容をページごとにスクロール可能な形式で表示します。大きなファイルを扱う際に便利です。 |
head | ファイルの先頭部分を指定した行数だけ表示します。デフォルトでは最初の10行を表示します。 |
tail | ファイルの末尾部分を指定した行数だけ表示します。デフォルトでは最後の10行を表示します。 |
コマンドの詳細と使用例
1.cat
コマンド
ファイルの内容を連結して標準出力に表示します。
使用例
cat file1.txt
cat file1.txt file2.txt
2.nl
コマンド
ファイルの内容を表示し、各行に行番号を付けて出力します。
使用例
nl file.txt
3.less
コマンド
ファイルの内容をページごとにスクロール可能な形式で表示します。大きなファイルを扱う際に便利です。q
キーで終了します。
使用例
less file.txt
4.head
コマンド
ファイルの先頭部分を指定した行数だけ表示します。デフォルトでは最初の10行を表示します。
使用例
head file.txt
head -n 5 file.txt # 最初の5行を表示
5.tail
コマンド
ファイルの末尾部分を指定した行数だけ表示します。デフォルトでは最後の10行を表示します。
使用例
tail file.txt
tail -n 5 file.txt # 最後の5行を表示
これらのコマンドを使うことで、ファイルの内容をさまざまな方法で表示し、必要な部分を効率的に確認することができます。特に大きなファイルを扱う場合や特定の部分だけを見たい場合に役立ちます。
テキストファイルの内容を加工して表示するコマンド
コマンド | 説明 |
---|---|
cut | ファイルの各行から特定のフィールドを抽出して表示します。区切り文字を指定してフィールドを抽出することが可能です。 |
sort | ファイルの内容を行単位でソートして表示します。数値ソートや逆順ソートなど、さまざまなオプションがあります。 |
uniq | ファイルの連続する重複行を削除して表示します。sort コマンドと組み合わせて使用することが多いです。 |
od | ファイルの内容をバイナリ形式(8進数、16進数など)で表示します。 |
wc | ファイルの行数、単語数、バイト数をカウントして表示します。 |
コマンドの詳細と使用例
1.cut
コマンド
ファイルの各行から特定のフィールドを抽出して表示します。区切り文字を指定してフィールドを抽出することが可能です。
使用例
cut -d',' -f1,3 file.csv # カンマ区切りの1列目と3列目を表示
cut -c1-5 file.txt # 各行の1から5文字目を表示
2.sort
コマンド
ファイルの内容を行単位でソートして表示します。数値ソートや逆順ソートなど、さまざまなオプションがあります。
使用例
sort file.txt # 行をアルファベット順にソート
sort -n file.txt # 数値順にソート
sort -r file.txt # 逆順にソート
3.uniq
コマンド
ファイルの連続する重複行を削除して表示します。sort
コマンドと組み合わせて使用することが多いです。
使用例
sort file.txt | uniq # 重複行を削除
uniq -c file.txt # 重複行の数を表示
4.od
コマンド
ファイルの内容をバイナリ形式(8進数、16進数など)で表示します。
使用例
od -c file.txt # 各バイトを文字として表示
od -x file.txt # 16進数で表示
od -b file.txt # 8進数で表示
5.wc
コマンド
ファイルの行数、単語数、バイト数をカウントして表示します。
使用例
wc file.txt # 行数、単語数、バイト数を表示
wc -l file.txt # 行数を表示
wc -w file.txt # 単語数を表示
wc -c file.txt # バイト数を表示
これらのコマンドを使用することで、テキストファイルの内容を加工・分析し、必要な情報を効率的に抽出・表示することができます。特にデータ処理やレポート作成の際に役立ちます。
文字列の変更・削除とファイルの分割コマンド
テキストを処理するコマンドのうち、文字列の変更と削除を行うコマンドである「 tr
」コマンドと、ファイルを分割するコマンドである 「split
」コマンドについて解説します。
文字列の変更と削除を行うコマンド:tr
コマンド | 説明 |
---|---|
tr | 文字を置換・削除するためのコマンドです。入力ストリームからの文字を指定した文字に置換し、あるいは削除します。 |
使用例
echo "hello" | tr 'l' 'L' # "hello" の 'l' を 'L' に変換して出力
echo "hello" | tr -d 'l' # "hello" の 'l' を削除して出力
echo "hello" | tr -s 'l' # "hello" の連続した 'l' を1つの 'l' に置換して出力
ファイルを分割するコマンド:split
コマンド | 説明 |
---|---|
split | ファイルを指定したサイズで分割するためのコマンドです。デフォルトでは 1000 行ごとに分割されますが、他のサイズも指定できます。 |
使用例
split -l 1000 large_file.txt # large_file.txt を 1000 行ごとに分割
split -b 10M large_file.txt # large_file.txt を 10MB ごとに分割
これらのコマンドを使用することで、テキストファイルの内容を加工・分割する際に便利に利用することができます。