【Linux】アクセス権の数値化
LinuxやUnix系のオペレーティングシステムでは、ファイルやディレクトリへのアクセス権を厳密に管理するためのメカニズムが備わっています。このアクセス権(パーミッション)は、ユーザーやグループ、その他のユーザーがファイルやディレクトリに対してどのような操作を行うことができるかを制御します。アクセス権には、読み取り(read)、書き込み(write)、実行(execute)の3つの基本的な権限があり、それぞれが特定のビットで表現されます。
アクセス権を数値化することは、システム管理者にとって非常に便利な手法です。数値化されたパーミッションは、簡潔で理解しやすく、コマンドライン操作において特に有用です。これにより、複雑なパーミッション設定を短く直感的に指定することができます。数値化されたパーミッションは、3桁の8進数で表され、各桁は所有者、グループ、その他のユーザーに対する権限を示します。
数値化のプロセスは、各アクセス権のビットを対応する数値に変換することから始まります。読み取り権は4、書き込み権は2、実行権は1として扱われます。これらのビットを組み合わせて各ユーザーの権限を示す数値が形成されます。たとえば、読み取りと書き込みの権限を持つ場合、その数値は6(4+2)となります。同様に、読み取りと実行の権限を持つ場合、その数値は5(4+1)となります。
このアプローチは、システム管理の効率を大幅に向上させます。例えば、「chmod
」コマンドを使用してパーミッションを設定する際には、数値化されたパーミッションを用いることで、一度にすべての権限を指定できます。これは、特に複雑な権限設定を行う場合に有効です。
アクセス権の種類
記号 | 説明 |
---|---|
r | 読み取り (read) |
w | 書き込み (write) |
x | 実行 (execute) |
– | 権限なし |
アクセス権の数値化
所有者 | グループ | その他のユーザー | |
---|---|---|---|
記号 | r w – | r w – | r – – |
2進数 | 1 1 0 | 1 1 0 | 1 0 0 |
r=4, w=2, x=1 へ変換 | 4 2 0 | 4 2 0 | 4 0 0 |
8進数 | 6 (4+2+0) | 6 (4+2+0) | 4 (4+0+0) |
解説
記号: 各パーミッションがどのようなアクセス権を持つかを示します。
- 所有者:
rw-
(読み取り、書き込み) - グループ:
rw-
(読み取り、書き込み) - その他のユーザー:
r--
(読み取り)
2進数: 各記号を2進数に変換します。
- 所有者:
rw-
→110
- グループ:
rw-
→110
- その他のユーザー:
r--
→100
r=4, w=2, x=1 へ変換: 2進数の各ビットを対応する数値に変換します。
- 所有者:
4 2 0
- グループ:
4 2 0
- その他のユーザー:
4 0 0
8進数: 各ビットの合計を計算して8進数で表します。
- 所有者:
6
(4+2+0) - グループ:
6
(4+2+0) - その他のユーザー:
4
(4+0+0)
まとめ
ファイルやディレクトリのアクセス権を数値化することで、権限の設定や変更を簡単に行うことができます。特に、「chmod
」コマンドを使用してアクセス権を変更する際に便利です。数値化されたアクセス権は、3桁の8進数で表され、各桁は所有者、グループ、その他のユーザーの権限を示します。これを理解することで、効率的にファイルシステムの管理が行えます。