【Linux】ユーザーの追加：useraddコマンド

このページで解説している内容は、以下の YouTube 動画の解説で見ることができます。

useraddコマンドの概要

　「useradd」コマンドは、Linuxシステムに新しいユーザーアカウントを追加するために使用されます。このコマンドは、新しいユーザーのホームディレクトリの作成、デフォルトのシェルの設定、ユーザー情報の設定など、様々なオプションを提供します。「useradd」は、システム管理者がユーザーアカウントを効率的に管理するための基本的なツールです。

【構文】
useradd [オプション] ユーザー名

主なオプションと説明

オプション	説明
`-c`	ユーザーのコメント（通常はフルネーム）を指定します。 ※指定がない場合：コメント欄は空欄になる。
`-d`	ユーザーのホームディレクトリを指定します。 ※指定がない場合：/home の下にユーザー名と同じ名前のディレクトリを作成する。
`-g`	ユーザーのプライマリグループを指定します。 ※指定がない場合：ユーザー名と同名のグループが作成される。
`-G`	ユーザーのサブグループを指定します。複数のグループをカンマで区切って指定できます。 ※指定がない場合：サブグループへの所属なし。
`-s`	ユーザーのデフォルトシェルを指定します。 ※指定がない場合：/bin/bash が設定される。
`-u`	ユーザーID（UID）を指定します。 ※指定がない場合：/etc/passwd ファイルに登録された最も大きい UID+1が設定される。
`-D`	デフォルトの設定を表示または変更します。
`-m`	ホームディレクトリを作成します。 ※Debian系の場合は必須

主なオプションと説明

コマンドの使用例と解説

１．rootユーザーへ切り替える

「su -」コマンドを使って、rootユーザーに切り替えます。

・「su -」コマンドを実行します。

　現在のユーザーからrootユーザーに完全に切り替え、rootユーザーのログインシェルと環境変数を読み込みます。これにより、rootユーザーとしてログインした場合と同じ環境が提供されます。

user01@ubuntu-vm:~$ su -
パスワード: 
root@ubuntu-vm:~#

２．基本的なユーザー追加

・「adduser suzuki」コマンドを実行します。

　「suzuki」という名前の新しいユーザーを追加します。パスワードには「password」を入力し、他の質問には、すべて、「Enter」キーを押し、最後に「y」と入力します。

すべての項目でデフォルトの設定が適用されます。

root@ubuntu-vm:~# adduser suzuki
ユーザー `suzuki' を追加しています...
新しいグループ `suzuki' (1001) を追加しています...
新しいユーザー `suzuki' (1001) をグループ `suzuki' に追加しています...
ホームディレクトリ `/home/suzuki' を作成しています...
`/etc/skel' からファイルをコピーしています...
新しい パスワード: 
正しくないパスワード: このパスワードは辞書チェックに失敗しました - 辞書の単語に基づいています
新しい パスワードを再入力してください: 
passwd: パスワードは正しく更新されました
suzuki のユーザ情報を変更中
新しい値を入力してください。標準設定値を使うならリターンを押してください
	フルネーム []: 
	部屋番号 []: 
	職場電話番号 []: 
	自宅電話番号 []: 
	その他 []: 
以上で正しいですか? [Y/n] y

作成したユーザーを確認します。以下のコマンドを実行します。

「grep suzuki /etc/passwd」コマンド
「grep suzuki /etc/group」コマンド

root@ubuntu-vm:~# grep suzuki /etc/passwd
suzuki:x:1001:1001:,,,:/home/suzuki:/bin/bash
root@ubuntu-vm:~# grep suzuki /etc/group
suzuki:x:1001:

３．サブグループを指定してユーザー追加

・「useradd -G staff yamada」コマンドを実行します。

　「yamada」という名前の新しいユーザーを追加します。サブグループに「staff」を指定します。デフォルトの設定が適用されます。

root@ubuntu-vm:~# useradd -G staff yamada

作成したユーザーを確認します。以下のコマンドを実行します。

「grep yamada /etc/passwd」コマンド
「grep yamada /etc/group」コマンド

root@ubuntu-vm:~# grep yamada /etc/passwd
yamada:x:1002:1002::/home/yamada:/bin/sh
root@ubuntu-vm:~# grep yamada /etc/group
staff:x:50:yamada
yamada:x:1002:

４．コメント付きでユーザー追加

・「useradd -c "sato yuko" sato」コマンドを実行します。

「sato」という名前のユーザーを追加し、コメントフィールドに「sato yuko」を設定します。

root@ubuntu-vm:~# useradd -c "sato yuko" sato

作成したユーザーを確認します。以下のコマンドを実行します。

「grep sato /etc/passwd」コマンド
「grep sato /etc/group」コマンド

root@ubuntu-vm:~# grep sato /etc/passwd
sato:x:1003:1003:sato yuko:/home/sato:/bin/sh
root@ubuntu-vm:~# grep sato /etc/group
sato:x:1003:

まとめ

　「useradd」コマンドは、Linuxシステムで新しいユーザーアカウントを追加するための強力なツールです。以下の表を参考に、適切なオプションを使用してユーザーアカウントを効率的に管理してください。

これらのオプションを組み合わせることで、ユーザーアカウントの詳細な設定が可能になります。

オプション	説明
`-c`	ユーザーのコメント（通常はフルネーム）を指定します。 ※指定がない場合：コメント欄は空欄になる。
`-d`	ユーザーのホームディレクトリを指定します。 ※指定がない場合：/home の下にユーザー名と同じ名前のディレクトリを作成する。
`-g`	ユーザーのプライマリグループを指定します。 ※指定がない場合：ユーザー名と同名のグループが作成される。
`-G`	ユーザーのサブグループを指定します。複数のグループをカンマで区切って指定できます。 ※指定がない場合：サブグループへの所属なし。
`-s`	ユーザーのデフォルトシェルを指定します。 ※指定がない場合：/bin/bash が設定される。
`-u`	ユーザーID（UID）を指定します。 ※指定がない場合：/etc/passwd ファイルに登録された最も大きい UID+1が設定される。
`-D`	デフォルトの設定を表示または変更します。
`-m`	ホームディレクトリを作成します。 ※Debian系の場合は必須

主なオプションと説明