このページで解説している内容は、以下の YouTube 動画の解説で見ることができます。

【Linux】viエディタ

viエディタとは

 vi エディタは、Unix および Linux系オペレーティングシステムで広く使用されるテキストエディタの一つです。1976年にビル・ジョイによって作成され、その後、多くの派生版や改良版が登場しましたが、vi は依然として標準的なテキストエディタとして広く利用されています。

主な特徴

  • 軽量で高速vi エディタは非常に軽量であり、リソース消費が少なく、高速に動作します。どのようなシステム環境でも利用可能です。
  • 標準的なインターフェース: ほとんどのUnix系システムにデフォルトでインストールされているため、どこでも同じインターフェースで使用できます。
  • モード切替vi エディタにはコマンドモードと挿入モードなど、複数の操作モードがあり、これによって効率的なテキスト編集が可能です。
  • 柔軟な編集機能: テキストの検索、置換、コピー、削除などの基本的な編集機能から、マクロの記録やスクリプトによる自動化まで、多彩な編集機能を備えています。

viエディタの操作方法

 vi エディタは、Unix および Linux 環境で広く使われるテキストエディタです。初学者にとって操作が難しく感じられるかもしれませんが、基本操作を覚えれば非常に強力なツールとなります。以下に、vi エディタの基本的な操作方法を図や表を使って解説します。

viエディタのモード

vi エディタには、主に以下のモードがあります。

  1. コマンドモード: ファイルの操作(保存、終了など)を行うモード。
  2. 挿入モード: テキストの編集を行うモード。

基本的な操作方法

1.viの起動と終了

操作コマンド説明
ファイルを開くvi filenamefilename ファイルを開く
コマンドモードESCどのモードからでもコマンドモードに戻る
保存して終了:wqファイルを保存してviを終了する
保存せずに終了:q!変更を保存せずにviを終了する
保存:wファイルを保存する
viの起動と終了

2.コマンドモードから挿入モードへの切り替え

操作コマンド説明
挿入モードi現在のカーソル位置から挿入開始
行の末尾からAカーソル行の末尾に移動し、挿入開始
新しい行を追加oカーソル行の下に新しい行を作成し、挿入開始
コマンドモードから挿入モードへの切り替え

3.挿入モードからコマンドモードへの切り替え

操作コマンド説明
コマンドモードESC挿入モードを終了し、コマンドモードに戻る
挿入モードからコマンドモードへの切り替え

4.テキストの移動

操作コマンド説明
カーソルを左へh、もしくは ←一文字左に移動
カーソルを下へj、もしくは ↓一行下に移動
カーソルを上へk、もしくは ↑一行上に移動
カーソルを右へl、もしくは ↓一文字右に移動
行頭に移動0行の先頭に移動
行末に移動$行の末尾に移動
指定行に移動:nn行目に移動
テキストの移動

5.テキストの編集

操作コマンド説明
1文字削除xカーソル位置の文字を削除
1単語削除dwカーソル位置から1単語削除
1行削除ddカーソル行を削除
テキストのコピーyyカーソル行をコピー
テキストの貼り付けpコピーしたテキストをカーソルの下に貼り付け
テキストの置換rカーソル位置の文字を置換
単語置換cwカーソル位置から単語を置換し、挿入モードへ
テキストの選択vビジュアルモードに入り、テキストを選択
テキストの編集

viエディタの基本操作

 初学者にとって操作が難しく感じられるかもしれませんが、下表の基本操作さえ覚えてしまえば、viエディタの操作は、なんとかなります。

操作コマンド
ファイルを開くvi filename
挿入モードに入るi
コマンドモードに戻るESC
保存して終了:wq
保存せずに終了:q!
カーソル移動h j k l もしくは ← ↓ ↑ →
文字削除x
行削除dd
コピーyy
貼り付けp
viエディタの基本操作

使用例と解説

newfile.txtを作成する手順

ここでは vi エディタを使用して「newfile.txt」ファイルを作成する手順を解説します。

1.viエディタを起動して新しいファイルを作成

vi コマンドを使って newfile.txt という名前の新しいファイルを作成し、エディタを起動します。

vi newfile.txt
2.挿入モードに入る

ファイルが開いたら、「i」キーを押して挿入モードに入ります。

3.テキストを入力

挿入モードに入ったら、以下のテキストを入力します。

This is the first line.
This is the second line.
This is the third line.
4.挿入モードを終了

 テキストの入力が終わったら、「ESC」キーを押して挿入モードを終了し、コマンドモードに戻ります。

5.ファイルを保存して終了

コマンドモードで以下のコマンドを入力して、ファイルを保存して vi を終了します。

:wq
ファイルの削除

この演習のコマンドで作成したファイルを削除します。

・「rm newfile.txt」コマンドを実行して、「ls」コマンドで確認します。

user01@ubuntu-vm:~$ rm newfile.txt
user01@ubuntu-vm:~$ ls
snap          テンプレート  ドキュメント  ピクチャ      公開
ダウンロード  デスクトップ  ビデオ        ミュージック
手順の図解
1. ターミナルで次を入力:
$ vi newfile.txt

2. viが開いたら、挿入モードに入る:
i

3. 以下のテキストを入力:
This is the first line.
This is the second line.
This is the third line.

4. 挿入モードを終了する:
ESC

5. ファイルを保存して終了する:
:wq

まとめ

 これらの基本操作を覚えることで、vi エディタを効率的に利用することができます。さらに高度な操作については、実際に使用しながら学習することをお勧めします。