【Linux】コマンド履歴の保存

 Linuxシステムを操作する際、日々使用する多くのコマンドをすべて覚えておくのは大変です。そんなときに役立つのが、コマンド履歴の保存機能です。bashシェルは、これまでに実行したコマンドを自動的に記録し、その履歴を後で確認したり再利用したりすることができます。これにより、頻繁に使用するコマンドを簡単に再実行できるだけでなく、以前の操作を追跡して問題解決に役立てることができます。

コマンド履歴の保存機能

 bashには、これまでに実行したコマンドを記録しておく機能があります。これにより、過去に実行したコマンドを簡単に再利用したり、修正して再実行したりすることができます。コマンド履歴は、セッション間で保存され、デフォルトでは 「~/.bash_history」ファイルに記録されます。

コマンド履歴のメリット

メリット説明
時間の節約過去に実行したコマンドを再度入力する必要がなく、矢印キーで簡単に呼び出せるため、作業効率が向上します。
エラーの防止正しく動作したコマンドを再利用することで、入力ミスを減らし、エラーを防止できます。
作業の再現性複雑なコマンドやコマンドシーケンスを再実行する際に役立ち、作業の再現性を確保できます。
学習とトラブルシューティングコマンド履歴を参照することで、以前の作業内容を確認し、トラブルシューティングや学習に役立てることができます。
コマンド履歴のメリット

コマンド履歴の呼び出し方法

方法説明コマンド例
矢印キー上矢印キーを押すことで、過去に実行したコマンドを一つずつ遡って表示。「↑」キーの入力
history コマンド全コマンド履歴の一覧を表示。history
! コマンド特定の履歴番号のコマンドを再実行。!42 # 42番目のコマンドを再実行
!!直前のコマンドを再実行。!!
Ctrl + rインクリメンタル検索を使用して、過去のコマンドを部分一致で検索し、表示。Ctrl + r + 検索ワード
!string履歴内で特定の文字列で始まる最後のコマンドを再実行。!ls # 最後に実行した ‘ls’ コマンド
HISTSIZEHISTFILESIZE の設定保存される履歴の最大数を設定。HISTSIZE=1000 (現在のセッションの履歴)
HISTFILESIZE=2000 (ファイルに保存される履歴)
コマンド履歴の呼び出し方法

具体的な操作例

過去のコマンドを表示
history

これにより、すべてのコマンド履歴が番号付きで表示されます。

特定の履歴番号のコマンドを再実行
!42

42番目のコマンドを再実行します。

直前のコマンドを再実行
!!

直前に実行したコマンドを再実行します。

インクリメンタル検索
Ctrl + r

 「Ctrl」キーを押しながら r キーを押して、検索したいコマンドの一部を入力すると、その部分に一致する過去のコマンドが表示されます。

まとめ

コマンド履歴の保存機能を活用することで、効率的に作業を進めることができます。