
【Linux】プロセス制御システム(SysVinit)ランレベル
プロセス制御システム(SysVinit)は、以下の5部に分けて解説しています。
- プロセス制御システム(SysVinit)起動の概要
- プロセス制御システム(SysVinit)/etc/inittabファイル
- プロセス制御システム(SysVinit)ランレベル
- プロセス制御システム(SysVinit)/etc/rc.dの中身
- プロセス制御システム(SysVinit)サービスの起動と停止
ランレベル
ランレベルは、OSの動作モードを表す数値またはアルファベットであり、特定のプログラムやサービスを起動または停止する設定を行います。各ランレベルの動作はディストリビューションによって異なる場合があります。/etc/inittab
ファイルにデフォルトのランレベルが記載され、システム起動時にこのランレベルが適用されます。

デフォルトのランレベル
ランレベル0とランレベル6は、システムの停止および再起動を表すため、デフォルトのランレベルとしては不適切です。一般的には、マルチユーザーモード(通常はランレベル3または5)がデフォルトのランレベルとして設定されます。
Linuxの一般的なランレベル
ランレベル | 動作モード | 説明 |
---|---|---|
0 | 停止 | システムをシャットダウンします。 |
1またはS/s | シングルユーザーモード | 最小限のシステムでシングルユーザーが利用します。メンテナンスやトラブルシューティングに使用されます。 |
2 | マルチユーザーモード(ネットワークなし) | ネットワークを使用しないマルチユーザーモードです。 |
3 | マルチユーザーモード(ネットワークあり) | ネットワークを使用するマルチユーザーモードです。GUIは起動しません。 |
4 | 未使用 | カスタム設定用に使用されます。 |
5 | マルチユーザーモード(ネットワークあり、GUIあり) | ネットワークを使用するマルチユーザーモードで、GUIが起動します。 |
6 | 再起動 | システムを再起動します。 |
runlevelコマンド
runlevel
コマンドは、現在のランレベルと前回のランレベルを表示します。指定されたランレベルに変更することもできます。
【構文】runlevel [ランレベル]
runlevelコマンドの例と解説
runlevel
コマンドは現在のランレベルと直前のランレベルを表示します。これは、システムがどのモードで動作しているかを確認するために使用されます。
例:runlevelコマンドの実行
$ runlevel
N 3
runlevelコマンドの出力の解説
フィールド | 説明 |
---|---|
N | 前回のランレベルが不明(または起動後の初回) |
3 | 現在のランレベルが3 |
initコマンド
ランレベルを変更するには、rootユーザー権限でinit
コマンドを実行します。このコマンドは、指定されたランレベルに変更します。
【構文】init ランレベル
initコマンドの例と解説
init
コマンドはシステムのランレベルを変更するために使用されます。これにより、システムの動作モードを切り替えることができます。
例:initコマンドの実行
ランレベルを3から5に変更する例
# init 5
initコマンドの解説
コマンド | 説明 |
---|---|
init 5 | システムのランレベルを5に変更する。ランレベル5は通常、マルチユーザー、ネットワークサービス、X Window Systemを含むフル機能のデスクトップ環境を表します。 |
まとめ
ランレベルは、OSの動作モードを決定し、システムがどのプログラムやサービスを起動または停止するかを設定します。一般的なランレベルは0から6まであり、それぞれのランレベルに特定の動作モードが割り当てられています。runlevel
コマンドとinit
コマンドを使用して、現在のランレベルを確認したり、ランレベルを変更したりすることができます。デフォルトのランレベルは、通常3(テキストモード)または5(GUIモード)に設定されますが、ランレベル0(停止)とランレベル6(再起動)はデフォルトのランレベルとして不適切です。
SysVinitのランレベル管理におけるrunlevel
コマンドとinit
コマンドの使用例を以下にまとめます。
コマンド | 例 | 説明 |
---|---|---|
runlevel | $ runlevel | 現在と直前のランレベルを表示。例:N 3(前回のランレベルは不明、現在のランレベルは3)。 |
init | # init 5 | システムのランレベルを変更。例:ランレベル5に変更し、フル機能のデスクトップ環境を起動。 |
runlevel
コマンドとinit
コマンドの使用例これらのコマンドを使用することで、システムの動作モードを確認し、必要に応じて変更することができます。