【Linux】ユーザーのcrontabファイル

 ユーザーのcrontabファイルは、crontabコマンドを使ってユーザーごとに作成されます。このファイルは、/var/spool/cronディレクトリ以下にユーザー名と同じファイル名で保存されます。ユーザーのcrontabファイルは直接編集できず、専用のcrontabコマンドを使用して編集します。

項目説明
作成方法crontabコマンドを使用して作成
保存場所/var/spool/cronディレクトリ以下にユーザー名と同じファイル名で保存
編集方法専用のcrontabコマンドを使用して編集(直接編集不可)
ユーザーのcrontabファイル

crontabファイルの定義

crontabファイルの書式は以下の通りです。

分 時 日 月 曜日 コマンド

 各フィールドにおいて、「*」を指定すると、そのフィールドはすべての値にマッチします。特定の時間にジョブを実行するためには、適切な値を指定する必要があります。

【例】1分ごとの定義

1分ごとに実行したい場合は、すべてのフィールドに「*」を指定します。

* * * * * command

【例】5分ごとの定義

5分ごとに実行したい場合は「*/5」や「0-59/5」のようにスラッシュ「/」を使います。

*/5 * * * * command
または
0-59/5 * * * * command

【例】特定の分、時間、日の範囲の指定

連続した時間を指定したい場合は、「1-3」のようにハイフン「-」を使います。

30 1-3 * * * command

【例】複数の特定の分、時間、日の指定

複数指定したい場合は、「1,3,5」のようにカンマ「,」を使います。

15,30,45 1,2,3 * * * command

crontabファイルの表示

 ユーザーのcrontabファイルが作成されていれば、crontab -lコマンドを使用して、現在のcrontabファイルを表示できます。

コマンド説明
crontab -l現在のユーザーのcrontabファイルの内容を表示
crontab -lコマンド

ユーザーのcrontabファイルの項目

ユーザーのcrontabファイルには、以下の項目が含まれます。

フィールド意味値の範囲
実行する分0-59
実行する時間0-23
実行する日1-31
実行する月1-12 または Jan-Dec
曜日実行する曜日0-7 または Sun-Sat
コマンド実行するコマンド任意のコマンドやシェルスクリプト
ユーザーのcrontabファイルの項目

ユーザーのcrontabファイルの定義の例

以下に、ユーザーのcrontabファイルの簡単な定義の例とその説明を示します。

【例】毎日午前2時にバックアップスクリプトを実行する設定

0 2 * * * /path/to/backup.sh
項目説明
0(毎時の0分)
2(午前2時)
*(毎日)
*(毎月)
曜日*(毎週)
コマンド/path/to/backup.sh(指定されたスクリプトを実行)
毎日午前2時にバックアップスクリプト

まとめ

 ユーザーのcrontabファイルは、特定のユーザーが所有する定期的なタスクを管理するための重要なツールです。crontabコマンドを使用して、簡単に作成、表示、編集が可能で、バックグラウンドで自動的にジョブを実行する設定ができます。これにより、手動の介入を減らし、システムの効率的な運用が実現します。

項目説明
ユーザーのcrontabファイルユーザーごとに作成される定期的なタスクのスケジュール管理ファイル。
作成方法crontabコマンドを使用。
表示方法crontab -lコマンドを使用。
書式分 時 日 月 曜日 コマンドの形式で記述。
毎日午前2時にバックアップスクリプトを実行する設定。
まとめ

 このように、ユーザーのcrontabファイルを活用することで、Linuxシステムにおける定期的なタスクの管理と自動化を効率的に行うことができます。