【Linux】Linuxの時刻

 Linuxシステムの管理において、正確な時刻の維持は非常に重要です。時刻が不明確であると、システムの動作に多くの問題を引き起こす可能性があります。そのため、Linuxシステムでは、ハードウェア時計(RTC)とシステムクロックの両方を使用して、時刻を正確に管理することが求められます。

時刻が不明確である場合の弊害

Linuxの時刻が不明確である場合、下表のような弊害が発生ます。

弊害説明
ログの一貫性の欠如ログファイルのタイムスタンプが不正確だと、障害対応やトラブルシューティングが困難になる。
スケジューリングの誤動作cronやsystemd-timerなどのスケジュールが正確に動作しなくなる。
セキュリティリスク時刻がずれるとSSL/TLS証明書の検証が失敗し、セキュリティリスクが増大する。
データの整合性の問題分散システムやデータベースにおいて、時刻の不一致がデータの整合性に影響を与える。
システムの依存性の問題依存関係のあるジョブやプロセスの実行順序が乱れる可能性がある。
時刻が不明確である場合の弊害

時刻を正確にすることの重要性

 時刻を正確に保つことは、システムの安定運用、障害対応の効率化、セキュリティの強化、およびデータの整合性維持に不可欠です。正確な時刻は、システム全体の信頼性を向上させます。

ハードウェアクロックとシステムクロック

 Linuxにはハードウェアとして内蔵された時計(ハードウェアクロック)とOSの時計(システムクロック)が存在します。

種類説明
ハードウェアクロック(RTC)マザーボードに内蔵されている時計で、システムが電源オフでも動作します。通常、BIOSで設定します。
システムクロックカーネルが管理する時計で、システムが稼働中の時刻を示します。システムの起動時にRTCから設定されます。
ハードウェアクロックとシステムクロック

Linuxの時刻の表示や設定を行うコマンド

以下のコマンドを使用して、Linuxシステムの時刻を表示・設定できます。

コマンド説明
dateシステムクロックの現在時刻を表示します。
hwclockハードウェア時計の時刻を表示・設定します。
timedatectl時刻、タイムゾーン、NTP設定を管理します。
ntpd / chronydネットワークタイムプロトコル(NTP)を使用して時刻を同期します。
時刻の表示や設定を行うコマンド

コマンドの使用例

date コマンド

date

hwclock コマンド

hwclock -r

timedatectl コマンド

timedatectl status

ntpd のインストールと使用例

sudo apt-get install ntp
sudo service ntp start

まとめ

 Linuxの時刻を正確に保つことは、システム運用のあらゆる側面において非常に重要です。ハードウェア時計(RTC)とシステムクロックの両方を理解し、適切なコマンドを使用して時刻を管理することで、システムの安定性と信頼性を確保できます。

コマンド説明
dateシステムクロックの現在時刻を表示します。
hwclockハードウェア時計の時刻を表示・設定します。
timedatectl時刻、タイムゾーン、NTP設定を管理します。
ntpd / chronydネットワークタイムプロトコル(NTP)を使用して時刻を同期します。
まとめ

これにより、Linuxシステムの時刻を正確に保つための基本的な手法と重要性が理解できるでしょう。