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【Linux】ディスクの空き容量を表示する:dfコマンド

dfコマンドの概要

 df(disk free)コマンドは、Linuxシステムにおいてディスクの空き容量や使用状況を確認するための便利なツールです。ファイルシステムをマウントすると、データの保存領域として使用できますが、当然ながらその容量には限りがあります。dfコマンドを使用することで、現在のディスクの総容量、使用済み容量、空き容量などを一覧表示し、システムのディスク使用状況を把握することが可能です。

 また、df -iオプションを用いることで、ファイルシステム内のiノードの使用状況も確認できます。これは、ファイルやディレクトリの作成に必要なiノードの空き状況を知るために役立ちます。dfコマンドを定期的に使用することで、ディスクスペースの管理を効率的に行うことができます。

容量管理

 ファイルシステムをマウントすると、データの保存領域として使用できます。ファイルシステムの容量を超えてデータを保存することはできません。ファイルシステムは以下の2つの領域に分かれています。

  1. iノード領域:ファイルやディレクトリのメタデータ(所有者、パーミッション、タイムスタンプなど)を格納します。
  2. データ保存領域:ファイルの実体データを格納します。

新たにデータを保存するには、iノード領域とデータ保存領域の両方に空きが必要です。

ファイルシステムの構成
i ノード領域
空きあり
i ノード領域
空きなし
データ保存領域
空きあり

ファイル作成可能
×
ファイル作成不可
データ保存領域
空きあり
×
ファイル作成不可
×
ファイル作成不可
ファイルシステムの構成

iノード

 ファイルやディレクトリを作成する際には、iノードが必要となります。iノード領域の空きがなくなると、新しいファイルやディレクトリを作成できなくなります。dfコマンドは、ファイルシステムごとに使用状況を確認するコマンドですが、どのファイルが大きな容量を占めているかを直接確認することはできません。ファイルやディレクトリごとの使用容量を確認したい場合は、duコマンドを使用します。

dfコマンドの概要

 dfコマンドは、ファイルシステムのディスク使用状況を表示します。ファイルシステムごとの使用済み容量、空き容量、使用率などの情報を確認できます。

主なオプションと説明

オプション説明
-h人間が読みやすい形式で出力します(例: 1K, 234M, 2G)。
-kキロバイト単位で表示します(デフォルト設定)。
-iiノードの使用状況を表示します。
主なオプションと説明

dfコマンドで出力される項目と説明

項目説明
Filesystemファイルシステム名
Sizeファイルシステムの総容量
Used使用済み容量
Avail空き容量
Use%使用率(%)
Mounted onマウントポイント
Inodesファイルシステム内の総iノード数
IUsed使用済みのiノード数
IFree空きiノード数
IUse%iノードの使用率(%)
dfコマンドで出力される項目と説明

dfコマンドの使用例と解説

1.ファイルシステムの使用状況を確認する。

・「df -h」コマンドを実行します。

 ファイルシステムの総容量、使用済み容量、空き容量、使用率などを人間が読みやすい形式で表示します。

root@ubuntu-vm:~# df -h
Filesystem      Size  Used Avail Use% Mounted on
tmpfs           195M  1.5M  193M   1% /run
/dev/sda2        24G   15G  8.4G  64% /
tmpfs           972M     0  972M   0% /dev/shm
tmpfs           5.0M  4.0K  5.0M   1% /run/lock
efivarfs        256K  135K  117K  54% /sys/firmware/efi/efivars
/dev/sda1       511M  6.1M  505M   2% /boot/efi
tmpfs           195M  116K  195M   1% /run/user/1000
2.iノード領域の使用状況を確認する。

・「df -i」コマンドを実行します。

各ファイルシステムのiノードの使用状況を表示します。

  • Inodesは、ファイルシステム内に存在する総 iノード数を示します。ファイルやディレクトリごとに1つの iノードが使用されます。
  • IUsed は使用済みのiノード数、IFree は空きiノード数を示します。
root@ubuntu-vm:~# df -i
Filesystem      Inodes  IUsed   IFree IUse% Mounted on
tmpfs           248740   1079  247661    1% /run
/dev/sda2      1605632 231145 1374487   15% /
tmpfs           248740      1  248739    1% /dev/shm
tmpfs           248740      4  248736    1% /run/lock
efivarfs             0      0       0     - /sys/firmware/efi/efivars
/dev/sda1            0      0       0     - /boot/efi
tmpfs            49748    151   49597    1% /run/user/1000

まとめ

 dfコマンドは、ディスクの使用状況を把握するための基本的なツールであり、ファイルシステムの容量やiノードの使用状況を簡単に確認できます。これにより、ディスクの容量管理や適切なリソース配分が可能になります。