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【Linux】ファイルシステムの情報の確認と編集:dumpe2fsコマンド・tune2fsコマンド

ファイルシステムの情報の確認と編集:dumpe2fsコマンド・tune2fsコマンド

 Linuxシステムにおいて、ファイルシステムはデータの管理と保存の基盤となる重要な要素です。ファイルシステムの管理情報を正確に把握し、必要に応じて設定を変更することは、システムの安定性とパフォーマンスを維持するために不可欠です。この目的のために、dumpe2fsコマンドとtune2fsコマンドが用いられます。

dumpe2fsコマンドの概要

 dumpe2fsコマンドは、ext2、ext3、ext4ファイルシステムに関する詳細な情報を取得するためのツールです。このコマンドを使用することで、スーパーブロック情報、ブロックグループ情報、ファイルシステムの状態など、ファイルシステムの内部構造に関する豊富なデータを確認できます。

【構文】
dumpe2fs デバイスファイル名

tune2fsコマンドの概要

 tune2fsコマンドは、ext系ファイルシステムの設定を変更するためのツールです。ファイルシステムに名前(ラベル)を設定したり、ファイルシステムの作成時に自動的に付与される一意のIDであるUUIDを変更したりすることができます。また、定期的なファイルシステムのチェック間隔を設定することも可能です。

【構文】
tune2fs [オプション] デバイスファイル名

主なオプションと説明

オプション説明
-L ラベルファイルシステムにラベルを設定または変更します。
-U UUIDファイルシステムのUUIDを設定または変更します。
-i 間隔ファイルシステムの自動チェック間隔を設定します。
d:日(デフォルトの単位:省略可)
w:週
m:月
主なオプションと説明

コマンドの使用例と解説

1.「su -」コマンドを実行する。

・「su -」コマンドを実行します。

 パーティションの操作はシステム管理のコマンドになるため、rootユーザーに切り替えておく必要があります。パスワードの入力が求められたら、パスワードを入力します。

user01@ubuntu-vm:~$ su -
パスワード:
root@ubuntu-vm:~#

2.ファイルシステムの情報を表示する。

・「dumpe2fs /dev/sdc1 | head」コマンドを実行します。

 このコマンドは、/dev/sdc1のext系ファイルシステムに関する詳細情報を表示します。ファイルシステムの状態、スーパーブロック情報、ブロックグループ情報などが出力されます。

root@ubuntu-vm:~# dumpe2fs /dev/sdc1 | head
dumpe2fs 1.46.5 (30-Dec-2021)
Filesystem volume name:   <none>
Last mounted on:          <not available>
Filesystem UUID:          a35903b7-a37a-421e-94cd-92719d20058f
Filesystem magic number:  0xEF53
Filesystem revision #:    1 (dynamic)
Filesystem features:      has_journal ext_attr resize_inode dir_index filetype extent 64bit flex_bg sparse_super large_file huge_file dir_nlink extra_isize metadata_csum
Filesystem flags:         signed_directory_hash 
Default mount options:    user_xattr acl
Filesystem state:         clean
Errors behavior:          Continue

3.ファイルシステムのラベルを設定する。

・「tune2fs -L "MyVolume1" /dev/sdc1」コマンドを実行します。

root@ubuntu-vm:~# tune2fs -L "MyVolume1" /dev/sdc1
tune2fs 1.46.5 (30-Dec-2021)

 このコマンドは、/dev/sdc1のファイルシステムに「MyVolume1」というラベルを設定します。これにより、ラベルでファイルシステムを識別しやすくなります。

4.ファイルシステムのUUIDを変更する。

UUID は一意の識別子であるため通常、変える必要はありませんが、変更することもできます。

・「tune2fs -U 123e4567-e89b-12d3-a456-426614174000 /dev/sdc1」コマンドを実行します。

 このコマンドは、/dev/sdc1のファイルシステムのUUIDを指定されたUUIDに変更します。UUIDはシステム全体で一意の識別子となります。「Proceed anyway (or wait 5 seconds to proceed) ?」には「y」と入力して、Enterキーを押します。

root@ubuntu-vm:~# tune2fs -U 123e4567-e89b-12d3-a456-426614174000 /dev/sdc1
tune2fs 1.46.5 (30-Dec-2021)
Setting the UUID on this filesystem could take some time.
Proceed anyway (or wait 5 seconds to proceed) ? (y,N) y

5.自動チェックの間隔を設定する。

・「tune2fs -i 30 /dev/sdc1」コマンドを実行します。

 このコマンドは、/dev/sdc1のファイルシステムに対して、30日ごとに自動的にチェックを行うように設定します。

root@ubuntu-vm:~# tune2fs -i 30 /dev/sdc1
tune2fs 1.46.5 (30-Dec-2021)
Setting interval between checks to 2592000 seconds

6.設定した内容を確認します。

・「dumpe2fs /dev/sdc1 | head -n 35 」コマンドを実行します。

root@ubuntu-vm:~# dumpe2fs /dev/sdc1 | head -n 35
dumpe2fs 1.46.5 (30-Dec-2021)
Filesystem volume name:   MyVolume1
Last mounted on:          <not available>
Filesystem UUID:          123e4567-e89b-12d3-a456-426614174000
Filesystem magic number:  0xEF53
Filesystem revision #:    1 (dynamic)
...(省略)...
Last mount time:          n/a
Last write time:          Fri Aug  2 23:54:53 2024
Mount count:              0
Maximum mount count:      -1
Last checked:             Thu Aug  1 23:12:25 2024
Check interval:           2592000 (1 month)
Next check after:         Sat Aug 31 23:12:25 2024

まとめ

 dumpe2fstune2fsコマンドは、Linuxのext2、ext3、ext4ファイルシステムの管理において重要なツールです。dumpe2fsはファイルシステムの詳細な情報を表示し、tune2fsはファイルシステムの設定を調整するために使用されます。これらのコマンドを適切に使用することで、ファイルシステムの管理が容易になり、システムの整合性とパフォーマンスを維持することができます。