【Linux】マウントとは

 Linuxシステムでは、ファイルシステムにファイルを保存するために、まずそのファイルシステムをマウントする必要があります。マウントとは、あるファイルシステムを別のファイルシステムに接続し、一つの統合されたファイルシステムとして利用できるようにするプロセスです。マウントが行われていないと、そのファイルシステムにアクセスすることはできません。

マウントに関連する用語

用語説明
ファイルシステムデータを管理し、保存するためのシステム。例:ext4、XFS、NTFSなど。
マウントポイントファイルシステムをマウントするためのディレクトリ。例:/mnt/usb、/media/cdromなど。
マウントファイルシステムをシステムに統合し、アクセス可能にするプロセス。
マウントに関連する用語

恒常的なマウントを行うための手順

恒常的なマウントを行うためには、以下の2つの作業が必要です。

  • /etc/fstabファイルの編集
     /etc/fstabファイルは、システムが起動する際に自動的にマウントするファイルシステムの設定を記述するファイルです。このファイルには、デバイス名、マウントポイント、ファイルシステムの種類、マウントオプションなどが記載されます。
    例:/dev/sda1 /mnt/data ext4 defaults 0 2
  • mountコマンドの実行
     mountコマンドを使用して、ファイルシステムを手動でマウントします。mount -aコマンドは、/etc/fstabファイルに記述されている全てのファイルシステムをマウントします。Linuxの起動過程では、このコマンドが実行され、ファイルシステムが自動的にマウントされます。

マウントの例

操作コマンド例説明
ファイルシステムの手動マウントmount /dev/sda1 /mnt/data/dev/sda1/mnt/dataにマウントする。
/etc/fstabファイルの編集例/dev/sda1 /mnt/data ext4 defaults 0 2/dev/sda1をext4として、/mnt/dataにデフォルト設定でマウントするよう設定。
自動マウントmount -a/etc/fstabファイルに記載された内容に基づき、全てのファイルシステムをマウントする。
マウントの例

マウントポイントとディスク構成の解説

 この図は、Linuxシステムにおけるディスクとマウントポイントの関係を表しています。各ディレクトリがどのディスクのどのパーティションに対応しているかが示しています。

1台目のディスク (/dev/sda)

パーティションマウントポイント内容
sda1/bootシステムのブートローダが格納される場所。
sda2-スワップ領域。メモリ不足時の一時記憶域。
sda3/ルートファイルシステム。システムの基本構造が格納される場所。
sda4-拡張パーティション。複数の論理パーティションを含む。
sda5/varシステムログや一時ファイルが格納される場所。
sda6/home各ユーザーのホームディレクトリが格納される場所。
sda7/tmp一時的なファイルが格納される場所。
1台目のディスク (/dev/sda)

2台目のディスク (/dev/sdb)

パーティションマウントポイント内容
sdb1/mnt一時的なファイルシステムやデバイスのマウントポイント。
2台目のディスク (/dev/sdb)

マウントポイントの詳細

  • /boot: システムの起動に必要なファイルが格納されるディレクトリ。ブートローダがここに存在する。
  • スワップ: 物理メモリが不足したときに使用される仮想メモリ領域。通常はファイルシステムではない。
  • /: ルートファイルシステム。すべてのファイルやディレクトリの基点。
  • /var: 変動するデータ(ログファイルやキャッシュなど)が格納される。
  • /home: 各ユーザーの個人データや設定ファイルが保存される場所。
  • /tmp: 一時ファイル用のディレクトリ。システム再起動時に内容がクリアされることが多い。
  • /mnt: 外部デバイスや一時的なファイルシステムをマウントするために使用されるディレクトリ。

まとめ

 マウントは、Linuxシステムにおいてファイルシステムを使用可能にするための重要な操作です。恒常的なマウントの設定は、システムの起動時に自動的にファイルシステムをマウントするために行われます。これにより、システムの再起動後も継続的にファイルシステムにアクセスすることができます。正しいマウント設定を行うことで、データ管理が容易になり、システムの運用が安定します。