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yumコマンド:groupサブコマンド

yumコマンド:groupサブコマンド

 yumコマンドのgroupサブコマンドは、いくつかのパッケージをまとめた「グループ」としてパッケージを一括して扱うための機能を提供します。これにより、特定の目的や機能に関連するパッケージをまとめてインストール、削除、または情報を照会することができます。例えば、デスクトップ環境や開発ツールなどの一連の関連パッケージを簡単にインストールできるようになります。

グループリストの確認

 yum group listコマンドを使用すると、システムで利用可能なパッケージグループのリストが表示されます。このリストには、Available Environment Groups:セクションで利用可能な環境グループが示されており、その中には「KDE Plasma Workspaces」が含まれています。

【構文】
yum grroup list

KDE Plasma Workspaces とは

 「KDE Plasma Workspaces」は、Linux向けの統合デスクトップ環境であり、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を提供します。この環境をインストールすると、ユーザーはコマンドラインではなく、マウスやキーボードを使用してグラフィカルにシステムを操作することができるようになります。

KDE Plasma Workspacesのインストール

 このデスクトップ環境をインストールするには、yum group installサブコマンドを使用して「KDE Plasma Workspaces」グループを指定します。グループ名にスペースが含まれる場合は、ダブルクォーテーションで囲んで指定する必要があります。GUI環境を構築するためのパッケージは非常に多いため、インストールには時間がかかる場合があります。

【構文】
yum group install グループ名

コマンドの使用例と解説(CentOSの場合)

1.rootユーザーに切り替えます。

・「su -」コマンドを実行します。

 このコマンドを実行して、rootユーザーに切り替えます。yumコマンドでのパッケージ管理には、管理者権限が必要です。rootユーザーに切り替えることで、必要な権限を持った状態で作業を進められます。

[user01@localhost ~]$ su -
パスワード:
最終ログイン: 2024/08/12 (月) 22:52:31 JST日時 pts/0
2.利用可能なグループの一覧を表示します。

・「yum group list」コマンドを実行します。

 Available Environment Groups:セクションで利用可能な環境グループが示されており、その中には「KDE Plasma Workspaces」が含まれていることが確認できます。

[root@localhost ~]# yum group list
読み込んだプラグイン:fastestmirror, langpacks
There is no installed groups file.
Maybe run: yum groups mark convert (see man yum)
Loading mirror speeds from cached hostfile
Available Environment Groups:
   最小限のインストール
   インフラストラクチャーサーバー
   コンピュートノード
   ファイルとプリントサーバー
   ベーシック Web サーバー
   仮想化ホスト
   サーバー (GUI 使用)
   GNOME Desktop
   KDE Plasma Workspaces
   開発およびクリエイティブワークステーション
利用可能なグループ
   グラフィカル管理ツール
   コンソールインターネットツール
   システム管理
   システム管理ツール
   スマートカードサポート
   セキュリティーツール
   レガシーな UNIX 互換性
   互換性ライブラリー
   科学的サポート
   開発ツール
完了
3.KDE Plasma Workspacesをインストールします。

・「yum group install "KDE Plasma Workspaces"」コマンドを実行します。

 このコマンドを実行すると、KDE Plasma Workspacesの統合デスクトップ環境に必要なすべてのパッケージがインストールされます。インストールが完了すると、システムでGUI環境を使用できるようになります。途中で確認が求められるため、「y」を入力して進行します。

数百のパッケージがインストールされるため、このインストールには少し時間がかかります。

[root@localhost ~]# yum group install "KDE Plasma Workspaces"
読み込んだプラグイン:fastestmirror, langpacks
There is no installed groups file.
Maybe run: yum groups mark convert (see man yum)
Loading mirror speeds from cached hostfile
Warning: Group core does not have any packages to install.
Warning: Group guest-agents does not have any packages to install.
パッケージ gtk2-immodule-xim-2.24.31-1.el7.x86_64 はインストール済みか最新バージョンです
(省略)
 system-config-date-docs          noarch 1.0.11-4.el7             base    527 k
 virtuoso-opensource              x86_64 1:6.1.6-7.el7            base    3.4 M

トランザクションの要約
================================================================================
インストール  53 パッケージ (+146 個の依存関係のパッケージ)

総ダウンロード容量: 183 M
インストール容量: 556 M
Is this ok [y/d/N]: y # 「y」と入力
Downloading packages:
(1/199): OpenEXR-libs-1.7.1-8.el7.x86_64.rpm               | 217 kB   00:00     
(2/199): PyQt4-4.10.1-13.el7.x86_64.rpm                    | 2.9 MB   00:00     
(3/199): akonadi-1.9.2-4.el7.x86_64.rpm                    | 725 kB   00:00     
(省略)
  strigi-libs.x86_64 0:0.7.7-13.20120626.el7                                    
  system-config-date-docs.noarch 0:1.0.11-4.el7                                 
  virtuoso-opensource.x86_64 1:6.1.6-7.el7                                      

完了しました!
4.KDE統合デスクトップ環境に切り替える。
4.1 現在のターミナルでexitコマンドを使用して一般ユーザーに戻ります。

・「exit」コマンドを実行します。

[root@localhost ~]# exit
ログアウト
[user01@localhost ~]$ 
4.2 システムからログアウトします。

・「電源」アイコンをクリックして「ログアウト」をクリックします。

・「ログアウト」ボタンをクリックします。

4.3 ログインするユーザーを選択します。

・ログインするユーザーを選択します。

4.4 パスワードを入力し、KDEを選択してログインします。

以下の操作を行います。

  • ①パスワードを入力します。
  • ②「歯車」アイコンをクリックします。
  • ③「KDE Plasma Workspaces」を選択します。
  • ④「サインイン」ボタンをクリックします。
4.5 KDE統合デスクトップ環境が起動し、グラフィカルなユーザーインターフェースが表示されます。

まとめ

 yumコマンドのgroupサブコマンドを使用することで、特定の目的に応じたパッケージ群をまとめて管理することが可能になります。特にデスクトップ環境のインストールなど、関連するパッケージが多い場合に便利です。KDE Plasma Workspacesのような統合デスクトップ環境を簡単にインストールして、Linuxシステムをよりユーザーフレンドリーにすることができます。