【Linux】Linuxのネットワーク管理

 Linuxのネットワーク管理には、ホスト名やIPアドレスの設定、デフォルトゲートウェイやルーティングテーブルの変更などが含まれます。これらの設定は、コマンドを使って一時的に変更するか、設定ファイルを直接編集して恒久的に変更することができます。

  • コマンドを使った方法
     コマンドによって行われた設定は、一時的なものであり、システムが再起動されると元の設定に戻ります。ただし、一部のコマンドは設定ファイルを直接編集し、恒久的な変更を行うこともできます。
  • 設定ファイルを直接編集する方法
     設定ファイルを手動で編集することで、恒久的なネットワーク設定を行うことができます。この方法で設定された内容は、システムが再起動された後も維持されます。

ネットワークの各種設定の一覧

ネットワーク管理に使用されるコマンドと設定ファイルを、設定内容ごとに表にまとめます。

 注意点としては、[NIC名]は、NICにつけられる識別名を表します。VirtualBoxでは、1つ目のNICにはenp0s3が設定されます。一般的なディストリビューションでは、eth0が設定されます。

設定内容一時的な設定恒久的な設定説明
ホスト名hostname コマンド・コマンド
nmcli コマンド
hostnamectl コマンド
・設定ファイル
/etc/hostname ファイル
ホスト名はネットワーク上でコンピュータを識別するための名前です。一時的な設定は、hostnameコマンドで行いますが、再起動後に元に戻ります。恒久的な設定は、hostnamectlコマンドまたは設定ファイルを編集して行います。
IPアドレスip コマンド
ifconfig コマンド
・コマンド
nmcli コマンド
・設定ファイル
[Red Hat系] /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-[NIC名]
[Debian系] /etc/network/interfaces ファイル
IPアドレスは、ネットワーク上でコンピュータを識別するための一意のアドレスです。一時的な設定はipまたはifconfigコマンドで行いますが、再起動後にリセットされます。恒久的な設定は、設定ファイルを編集するか、nmcliコマンドで行います。
デフォルトゲートウェイip コマンド
route コマンド
・コマンド
nmcli コマンド
・設定ファイル
[Red Hat系] /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-[NIC名]
[Debian系]/etc/network/interfaces ファイル
デフォルトゲートウェイは、ローカルネットワーク外のネットワークにデータを送信するために使用されるルータのIPアドレスです。一時的な設定はiprouteコマンドで行い、再起動でリセットされます。恒久的な設定は、設定ファイルを編集するか、nmcliコマンドで行います。
ルーティングip コマンド
route コマンド
・コマンド
nmcli コマンド
・設定ファイル
[Red Hat系] /etc/sysconfig/network-scripts/route-[NIC名]
[Debian系]/etc/network/if-up.d/static-routes ファイル
ルーティングは、ネットワーク内でデータパケットがどの経路を通って目的地に到達するかを決定するプロセスです。一時的な設定はiprouteコマンドで行いますが、再起動後にリセットされます。恒久的な設定は、設定ファイルを編集するか、nmcliコマンドで行います。
ネットワークの各種設定

まとめ

 Linuxのネットワーク管理には、一時的な設定と恒久的な設定の2つのアプローチがあります。一時的な設定は、iphostnameなどのコマンドを使用して行われますが、再起動時に元に戻ってしまいます。一方、恒久的な設定は、設定ファイルを直接編集することで行われ、再起動後も変更が保持されます。ネットワーク管理においては、目的に応じてこれらの方法を使い分けることが重要です。