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ルーティングの設定:routeコマンド
routeコマンドによるルーティングの設定
route
コマンドは、ネットワークルーティングテーブルの管理に使用される古典的なツールです。主に、ネットワーク間の通信経路を制御するために使用されますが、現在では非推奨となっており、将来的に廃止される予定です。それでも、古いシステムやレガシーサポートが必要な場合には、まだ使用されることがあります。
【構文】ルーティングの設定
route [オプション] [ネットワークインターフェース名]
主なコマンドと説明
コマンド構文 | 説明 |
---|---|
route add -net 宛先IPアドレス netmask サブネットマスク gw IPアドレス | 指定したサブネットに対するルートを、指定したゲートウェイを通して追加します。 |
route del -net 宛先IPアドレス | 指定したサブネットへのルートを削除します。 |
コマンドの使用例と解説(CentOS 7の場合)
routeコマンドは古いコマンドであるため、CentOS 7を使って操作していきます。
想定するネットワーク構成図
1.rootユーザーに切り替える。
・「su -
」コマンドを実行します。
su -
コマンドを使用してrootユーザーに切り替えます。root権限で操作することで、システム全体のネットワーク設定を変更できます。
[user01@localhost ~]$ su -
パスワード:
最終ログイン: 2024/08/16 (金) 23:03:36 JST日時 pts/0
[root@localhost ~]#
2.現在のルーティングテーブルを表示する。
・「ip route show
」コマンドを実行します。
現在のルーティングテーブルを表示します。これにより、現在設定されているルート情報を確認できます。
[root@localhost ~]# ip route show
default via 10.0.2.2 dev enp0s3 proto dhcp metric 100
10.0.2.0/24 dev enp0s3 proto kernel scope link src 10.0.2.15 metric 100
192.168.122.0/24 dev virbr0 proto kernel scope link src 192.168.122.1
3.172.16.1.0/24へのルートを追加する。
・「route add -net 172.16.1.0/24 gw 10.0.2.3
」コマンドを実行します。
このコマンドで、172.16.1.0/24
ネットワークへのルートを10.0.2.3
というゲートウェイを経由するように追加します。これにより、指定したネットワークへの通信がこの経路を通じて行われるようになります。
[root@localhost ~]# route add -net 172.16.1.0/24 gw 10.0.2.3
4.ルーティングテーブルを再度表示する。
・「ip route show
」コマンドを実行します。
再度、ルーティングテーブルを表示して、新しいルートが追加されたことを確認します。
[root@localhost ~]# ip route show
default via 10.0.2.2 dev enp0s3 proto dhcp metric 100
10.0.2.0/24 dev enp0s3 proto kernel scope link src 10.0.2.15 metric 100
172.16.1.0/24 via 10.0.2.3 dev enp0s3
192.168.122.0/24 dev virbr0 proto kernel scope link src 192.168.122.1
5.追加したルートを削除する。
・「route del -net 172.16.1.0/24
」コマンドを実行します。
このコマンドを使用して、先ほど追加した172.16.1.0/24
へのルートを削除します。
[root@localhost ~]# route del -net 172.16.1.0/24
6.ルーティングテーブルを再度表示する。
・「ip route show
」コマンドを実行します。
再度ルーティングテーブルを表示して、ルートが正しく削除されたことを確認します。
[root@localhost ~]# ip route show
default via 10.0.2.2 dev enp0s3 proto dhcp metric 100
10.0.2.0/24 dev enp0s3 proto kernel scope link src 10.0.2.15 metric 100
192.168.122.0/24 dev virbr0 proto kernel scope link src 192.168.122.1
まとめ
route
コマンドは、ネットワークルーティングテーブルを管理するためのツールですが、現在では非推奨となっており、将来的に廃止される予定です。それでも、特定の環境ではまだ必要とされることがあるため、基本的な使用方法を理解しておくことは重要です。ただし、可能な限りip
コマンドやnmcli
コマンドを使用することが推奨されます。